こんなに近いのに
近すぎて見えないこともあって
聞かないと確かめられないこともある


視線が合えば
分かる
あなたは何かを思っている


あなたは何を思っている?

何を思っているかまで
伝わるチカラがあればいいのに




至近距離への船出―詩集 (1978年)/芥川 潔

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僕のほうを向いて眠るあなたの頬にキスをして
行ってくるよとつぶやく


聞こえているのかあなたは寝息のまま
軽く微笑む


歩く暁の街はまだ暗く
瞬きは感じられない星々に
好きな季節が訪れようとしているのだと


そのうち吐く息が白くなっても
このようにして街を歩く


未来を誓うことに意味はないと知った今
何かを誓ったりはせず、ただ歩く


自分のために生きる自分のために磨く
当たり前のように誰彼に嘯いてきたくせに
自分のためとあなたのためが同じ意味になってきた


あなたのために僕は自分を磨く
そんな思いで歩く暁の街は
空は
誰がどんな思いでいようとも
表情を変えることはない




秋ものがたり―ものがたり12か月/著者不明

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その部屋

僕のいざなうままにあなたが
以前のように跳ねる

外からは
月映る窓

僕らがいるのは
月透ける部屋

青白い月光が差し込む部屋はぼんやりと輪郭を浮かばせ
ひさしを忍び歩く野良猫が合った目を切り
懲りない僕らを苦々しくも温かく笑うかのよう

月映る窓
爆ぜる吐息

たどりつく処



月の下で/森 光伸

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なんだか上手くいかない日
チグハグで、ふたりの間に薄い膜がかかっているような日


あなたの瞳の光を拾う
上手くいかないね


身体を横にして、
星の明かりを拾う夜


でも、愛している
それでも、愛している


あなたがつぶやき、
僕がこぼした





それでも人生にイエスと言う/V.E. フランクル

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