壊れたくても
壊れない自分を見つめて

壊れる人は
どのように壊れるのかと問うてみる


雨粒が見える気がする土砂降りの夜
頼りない傘を抱き寄せて

冠水に足を取られながら
ただ前に進む

壊れないのは
本当は壊れたくないからだ

壊れたくない
いろいろなもののために

そう思っていれば
まだ耐えられる

風のままに傘を流して一瞬
土砂降りに顔をさらして流れる
涙を隠してしまえば まだ
誰にも悟られずに済むはずの この
壊れたい願い
壊れたくない思い


石垣りん詩集

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