旅が好きです。
仲間とワイワイ行く旅も好きだけど、真摯に自分と向き合える一人旅が好きです。
もう20年近く昔、よく一人でサーフトリップに出かけていました。
NORTHSHORE(ハワイ)、 PURARAN(フィリピン カタンドゥ
アネス島)、 HUNTINGTON(カリフォルニア)、 ULUWATU
(バリ) etc、etc・ ・・・・。
特に思い出深いのは、僕の大好きなBaliのサヌールビーチより漁船をチャー
ターし、波しぶきをかぶりながら約4時間
レンボンガン島へのサーフトリップです。
この島は当時でもだいぶ観光化されたBaliとは全く違う、
何も無い、有るのは太陽の光と青すぎる海だけ!
ホントのParadise!!
宿泊施設は10棟あまりあるビーチ沿いの簡易バンガローのみ、 あとレストラ
ン(らしきもの)1軒。
旅行者はボクとオージーのサーファー2人のみ、おのずと友達になってしまう。
「どこから?」 「オーストラリア」、「あっオレTokyoの人ね」、「パー
スって知ってる?」 「う~ん ちょっとだけ、メルボルンのそばだっけ?」
「ぜんぜん違う、反対側」
「うーん、オーストラリアっていってもカンガルーとコアラぐらいしか知らんか
らなー」
「ところで日本の波ってどーなの?・・・」とサーファー特有の波情報に始ま
り、今まで行った世界中のポイントのこと、女の子のこと、ファッションのこ
と、将来の夢のこと、いろんな話をする。
最初は夜明けと共に海に入り、夕暮れと共に上がるサーフざんまい、 でも気が
付くとこの島でサーフィンしているのは僕ら3人のみ、 波の取り合いもなけれ
ば、気に入らない波ならやり過ごせばいい、 そんなガツガツ乗ることも無いか。
ビーチに上がりバンガローからボーっと海を見ているうちに そのままお昼寝、
この島ではゆっくりと時間が流れてゆく。
夕方、上げ出した潮を見はからって今日最後のサーフィン!
ポイントには (アウターリーフなのでポイントまでパドルで15~20分、カ
ヌーをチャーターして5分) 笑顔の
2人のみ。
「何してたの?」 「お昼寝さ」 「1時間ぐらい前が最高だったのにー!」
「ウソこけ、潮引いていてできなかっただろが!」
ワッハッハー!
波待ちしながらカタコトのバカ話で夕日が沈んでゆく。
夕方、海から上がりプラプラと散歩がてら島を探検していると村の広場に出る、
何か人が集まって騒いでいる、ナンダナンダと見に行く。
闘鶏だっ! 娯楽の少ないこの島の男たちは自分の育てた強いニワトリを持ち
寄って戦わせる、 場を仕切っている男が一人いて、観客は自分の勝つと思う方
に各々お金をかけている。
この戦いがけっこう興奮する、 ニワトリの持ち主は自分のニワトリの足の後ろ
に鋭いナイフを糸で巻きつけ固定する。
このナイフ付きの二羽を戦わせ勝敗を決める。
血まみれになり戦う姿には感動すらおぼえる。
しかし、もっと過酷なのは戦いに敗れた方のニワトリ、
試合場のすぐ脇で笑顔のオバチャンにスグ焼き鳥にされてしまう事、 これがウ
マイ!
実は人生をふか~く感じたのは この勝者のニワトリも今日は勝ったけど、いつ
かは負ける日がくる。
つまり、生き続けるために勝ち続けなければならない、
負けた日が焼き鳥日。
「生きるために戦う!」 カッコよすぎますよニワトリさん!
ちょっとカワイソウなんだけど、なぜかこの日ボクの人生感のふかーいところに
変化があったのでした。
食事はいやでも1軒のレストラン、 何日目かの夜、明朝帰国する2人のばか
オージーサーファーと3人だけのお別れパーティーをする。
沈む夕日を見ながら、このビーチサイドに建つインチキレストランで夜更けまで
バカ騒ぎをする。
夜更けといっても、この島の唯一の発電機は午後10時に止まってしまうため、
その後は島内全部ロウソクと月明かりのみ、
初めて知った、月がこんなに明るいことを。
月と反対側の夜空を見上げれば星がビュンビュン流れる、
もう流れまくる、いくらでも願い事が叶うぐらいに流れる。
明日からはオレ一人だけなんだな、夜のビーチに寝ころんで将来のこと、彼女の
こと、いろんな事に思いをめぐらす。
翌日も朝から気が狂ったような陽射しの中、たった一人のサーフィン。
すんごいテイクオフをキメても だーれも見ててくれない。
でも、ホントに贅沢な波乗り。
かるくチューブになる波しか取らない。
何を思ったか、「誰もいないからフルチンでやってみっか!」
トランクスを脱ぎ、リューシュに巻きつけ素っ裸!
頭ぐらいのレギュラーが来る、 かるく刺し乗りでTake OFF!
できるだけ我慢して深いボトムターン、玉が揺れる!
フェイスでしごき途中のコーナーでちょっとストールさせ小さくチューブイン、
サオが揺れる!
チューブを抜けプルアウト、 誰か見ていたらオオバカやろうだろうな。
そんなこんなで2時間ばかりフルチンでやった波乗り、
その時の板のデッキ部には波待ちしていたときに付いた2つの大きな玉あとが
あったとさ。(ウソ!)
その夜だったかな、いつものインチキレストランで、いつものように夕日を見な
がら たった一人の夕食をとっていると、
古い一台のカセットデッキから流れてきたギターのメロディー
イーグルスの「ホテル カリフォルニア」
On a dark desert highway,cool wind in my hair Warm smell of
colitas,rising up through the air・・・・・・
泣いたね、も~泣いた、号泣!
なぜだったんだろう、 あまりに美しいメロディーラインだったから? ちょっ
と一人きりになった寂しさと、赤からムラサキ色のグラディエーションに染まる
夕日のせい?
ホームステイしていたロスアンジェルスの夕日を思ってかな?
こんなときキレイな女性がそばにいたら たちまち恋に落ちるんだろうな、
人のぬくもりが恋しい。
帰ろう! 明日Bariに帰ろう!! そして人だらけのクタやレギャンで遊び
まくろう!!! クタには現地の友達も沢山いる、 日本人の女の子もきっとい
るはず!!
そんな弱気なボクは翌日Bariに戻るのでした。
この時のサーフトリップからもう何十年経ったんだろう。
この大好きなレンボンガン島には5年間通い続けた。
その後リゾート化が進み、りっぱなホテルが建ち、高速船でBaliから日帰り
ツアーも有るという。
どう変わったんだろ?
いつの日か自分の子供と行ってみたいな。
そしてボクの見た、感じたものを伝えてあげたいな。
ず~っと昔の僕の大切な思い出でした。
じゃ!




