SNSが身近な存在となった現在、誰でも簡単に情報を発信できる一方で、SNS上の誹謗中傷が深刻な問題となっています。

 

そんな中、エイベックスの松浦勝人会長が、SNS上の投稿をAIで自動的に監視し、誹謗中傷の可能性がある投稿を検出するシステムを作成したことを明らかにし、話題となっています。

今回報じられたシステムでは、SNS上の投稿を自動で巡回し、誹謗中傷の程度を

「HIGH(重大)」「MEDIUM(注意)」「LOW(軽微)」の3段階に分類。

 

さらに、問題となる投稿について、該当する可能性のある罪名を分析するだけでなく、投稿のスクリーンショットやURL、投稿時刻なども記録し、「証拠保全PDF」として保存する仕組みが紹介されています。

このニュースは、SNS上の誹謗中傷に対して、「投稿を発見すること」だけでなく「証拠を残すこと」がいかに重要なのかを改めて考えるきっかけになるものといえるでしょう。

今回は、SNSで誹謗中傷を受けた場合に、どのような対応ができるのかを解説します。

▼SNSの誹謗中傷は「証拠を残すこと」が重要

SNS上の投稿は、いつまでも残っているとは限りません。

投稿者自身が削除することもあれば、アカウントそのものが削除・変更されるケースもあります。

そのため、誹謗中傷を受けた場合には、「後で対応すればいい」と考えず、まず証拠を確保しておくことが重要です。

具体的には、以下のような情報を保存しておきましょう。

  • 誹謗中傷の投稿内容
  • 投稿者のアカウント名・プロフィール
  • 投稿された日時
  • 投稿のURL
  • リプライや引用投稿など、前後のやり取り
  • 投稿が表示されている画面のスクリーンショット

特に、スクリーンショットを撮影する際には、投稿内容だけではなく、投稿者のアカウントや日時、URLなども確認できる状態で保存することが大切です。

▼「これは誹謗中傷?」判断が難しいケースも

SNS上の投稿には、単なる批判や意見もあれば、人格を否定するような発言や、脅迫的な内容が含まれているものもあります。

今回のニュースでは、人物の容姿や人格を否定するような投稿について、AIが「侮辱罪」に該当する可能性があると判定した例が紹介されています。

また、「捕まるよ、警察に」といった投稿については、「脅迫罪」となる可能性が示されています。

もっとも、AIによる判定だけで、直ちに犯罪が成立するわけではありません。

実際に侮辱罪や脅迫罪などに該当するかどうかは、投稿された内容だけでなく、投稿に至った経緯や前後のやり取りなど、具体的な事情を踏まえて判断する必要があります。

そのため、「この投稿は法律的に問題があるのか分からない」という場合でも、自己判断で諦めるのではなく、専門家に相談することが大切です。

▼匿名の投稿でも投稿者を特定できる可能性があります

「匿名アカウントだから、誰が投稿したのか分からない」

SNSの誹謗中傷について、このように悩まれる方は少なくありません。

しかし、匿名で投稿されているからといって、必ずしも投稿者を特定できないわけではありません。

一定の要件を満たす場合には、発信者情報開示請求によって、投稿者の情報の開示を求めることができます。

発信者情報開示請求とは、SNSや掲示板などに投稿した人物を特定するため、SNS事業者や通信事業者などに対して、投稿者に関する情報の開示を求める手続きです。

投稿者を特定できれば、事案に応じて、

  • 慰謝料・損害賠償請求
  • 投稿の削除請求
  • 刑事告訴・告発

などの対応を検討することができます。

▼誹謗中傷への対応は「早さ」も重要です

誹謗中傷を受けた方の中には、

「これくらいなら我慢しよう」
「そのうち投稿が消えるだろう」
「匿名だから何もできないだろう」

と考えてしまう方もいらっしゃいます。

しかし、時間が経過すると投稿が削除されたり、投稿者のアカウントが変更されたりする可能性があります。

また、発信者情報開示請求では、投稿者を特定するために必要となる情報が保存されている期間にも注意が必要です。

そのため、誹謗中傷への対応を検討するのであれば、できるだけ早い段階で証拠を確保し、専門家へ相談することが重要です。

▼誹謗中傷を受けたとき、まず何をすればいい?

SNSで誹謗中傷を受けた場合には、まず次の対応を心がけましょう。

① 投稿をスクリーンショットする

投稿内容だけではなく、アカウント名や投稿日時なども分かる状態で保存しましょう。

② 投稿URLを保存する

スクリーンショットとあわせて、投稿ページのURLも記録しておきましょう。

③ 投稿者と感情的にやり取りしない

反論したくなる気持ちは当然ですが、直接やり取りをすることで、さらにトラブルが拡大する可能性があります。

④ できるだけ早く専門家へ相談する

「この程度で相談していいのかな」と迷う必要はありません。

法的な対応が可能かどうかを判断するためにも、早めに弁護士へ相談することをおすすめします。

▼SNSでの誹謗中傷を「仕方ない」と諦めないために

今回の松浦勝人氏のニュースは、SNS上の誹謗中傷に対して、AIなどのテクノロジーを活用しながら証拠を残し、法的対応につなげていくという新しい対策が注目されていることを示しています。

SNSで誹謗中傷を受けた場合、ただ耐え続ける必要はありません。

匿名の投稿であっても、発信者情報開示請求によって投稿者を特定できる可能性があります。

ただし、誹謗中傷への対応では「証拠をどのように残すか」「どのような手続きを選択するか」が非常に重要です。

「SNSで悪質な投稿をされた」
「匿名アカウントから繰り返し誹謗中傷されている」
「投稿者を特定して慰謝料を請求したい」
「投稿を削除してほしい」

このようなお悩みがある場合は、まず弁護士にご相談ください。

一人で抱え込まず、早い段階で専門家に相談することが、問題解決への第一歩となります。

 

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