もう7週も続けてブログを更新しています。自分で驚いています笑
まぁ、実際の分析光景、、、素人のエクセル加工を記載しているので、結果だけ知りたい一般の人向けではありませんが、他人の評論だけで語るのではなく、そこからいくらかでも脱却して、自力をつけたい人に読んでいただければと考えています。
と、本題に戻ります。前回6回は相関係数について説明しました。そして5回ではGDPと給与のグラフも提示しました。
相関係数の話しが分かる方は2枚目、R2が0.7862なので、R=0.8866=89%の相関係数とわかる、、、GDPと民間平均給与には強い関係、連動性があるとおわかりかと思います。
そしてここ20年近くは、どっちも地を這っています、と。
連動しているから、片方が上がれば、もう片方も改善されるのでしょうが^^;
さて、今回の話しはここからです。
「連動しているのはわかった」
「どっちが原因でもいい」
「どちらでもいいけど、どうすれば上がるのか?」
という話しです。さらに付け加えるなら、第3の指標があって、それを仮にXとするならば、
Xと給与が連動している。
XとGDPが連動している。
だから、給与とGDPが連動しているように見えているだけではないのか?
という仮説です。じゃあそのXって何よ?って話しになるわけですが、、、どうやって探すのよ、って感じですね。でも大丈夫です。まず単純に、下位に分解できるものはしたり、さらにそもそもの流れを辿ればいいだけです。
給与はこれ以上の分解はどうしよう?という感じですが、GDPにはたくさんの分解方法があります。
GDPのデータをダウンロードした人はわかるでしょうが、たくさんの明細がありました。
適当に一年持ってくれば、これだけあります。
~~~ ~~~ ~~~ ~~~
1.国内総支出(名目)
(単位:10億円) 実数
昭和30年度
項 目
1955
1. 民間最終消費支出 5,613.0
1) 家計最終消費支出 5,510.0
a 国内家計最終消費支出 5,537.6
b 居住者家計の海外での直接購入 6.5
c (控除) 非居住者家計の国内での直接購入 34.1
2) 対家計民間非営利団体最終消費支出 103.0
2. 政府最終消費支出 852.8
3. 国内総資本形成 2,072.3
1) 総固定資本形成 1,690.2
a 民 間 1,118.9
a) 住 宅 267.8
b) 企業設備 851.1
b 公 的 571.3
a) 住 宅 22.3
b) 企業設備 231.4
c) 一般政府 317.6
2) 在庫品増加 382.1
a 民間企業 259.7
b 公的企業 122.4
4. 財貨・サービスの純輸出 59.7
1) 財貨・サービスの輸出 975.0
2) (控除)財貨・サービスの輸入 915.4
5. 国内総支出 8,597.9
(参考)経常海外余剰 89.6
輸出等 1,033.5
(控除)輸入等 943.9
国民総支出 8,627.8
(参考)国内需要 8,538.2
民間需要 6,991.6
公的需要 1,546.5
(注)1.民間需要=民間最終消費支出+民間住宅+民間企業設備+民間在庫品増加
公的需要=政府最終消費支出+公的固定資本形成+公的在庫品増加
2.国内需要=民間需要+公的需要
3.輸出等=財貨・サービスの輸出+海外からの要素所得の受取り
輸入等=財貨・サービスの輸入+海外への要素所得の支払い
4.国民総支出=国内総支出+(海外からの要素所得-海外への要素所得)
~~~ ~~~ ~~~ ~~~
はい。注を見るとようやく「足し算の形」が見えてきました。実はダウンロードして、そのエクセルデータの注を見ないと、経済がただの足し算であるとの明示がネット上にはありません。それが私がブログタイトルを決めた理由でもあります。
しかし、この時点でも、文字の長いごちゃごちゃした足し算です。初めての人は嫌気が刺すだけではないでしょうか。なので、GDP=A+B+Cのように、単純な文字の形で「カンタンですよ!」と請求しています。
だから、上記の注も、文字で整理すれば
国内総支出=国内需要+純輸出
GDP=A+NX
純輸出=輸出-輸入
NX=EX-IX
国内需要=民間需要+公的需要
A=B+C
民間需要=民間最終消費支出+民間住宅+民間企業設備+民間在庫品増加
B=B1+B2+B3+B4
公的需要=政府最終消費支出+公的固定資本形成+公的在庫品増加
C=C1+C2+C3+C4
文字の羅列が続きますが「ああ、足し算ね」とわかってもらえればOKです。
いきなり知らない言葉が大量に出てきました。これも初めての人が困るところです。しかし、式の形は単純ですね。輸入だけ引き算で、ほかは全部足し算です。それに、言葉はたくさんありますが、これら、ようは、すべて一年間の買い物の金額です。
まず「需要」という言葉がありますが「支出」と言い換えてOKです。
「2016年は国内で300兆円の需要があった」というような言葉の使い方をしますが(数字は適当)、「いくら需要があった」「ニーズがあった」なんて前もってわかるわけがありません。結果的に「300兆円の支出、買い物があった」が正しく、後付けで「300兆円の需要があった」と述べているだけです。
だから、以下の式
国内総支出=国内需要+輸出-輸入
これも、左が支出、しかし右が需要もOKなのだと思います。同じ意味なので。
普通「え?需要ってプラスのことで、支出ってマイナスのことじゃね?」って混乱する人もいるかもしれませんね。
次。民間需要と公的需要とありますが、支出で書けば、まず民間支出と公的支出ですね。で、支出、、、買い物する人を立場で分ければ、まず政府がありますそして、政府でなければ民間だよね、って分けただけです。
あと残る単語は消費支出でしょうか。
民間需要=民間最終消費支出+民間住宅+民間企業設備+民間在庫品増加
B=B1+B2+B3+B4
消費は、おそらく簿記の区分です。30万円以下の買い物を消費と言います。30万以上の買い物は固定資産に区分、計上します。例えば「100万円で車を買った」とかですね。
固定資産とは今後に活用されるものです。だからその場限りの買い物、消費ではありません。
つまり、消費でない B2+B3+B4 をまとめて投資と言います。ちなみに在庫品は「買い物されて売れた、とは言っても、在庫なので、今後売りたい資産、、、投資の扱いになっています。」
というわけで、民間需要は
民間需要=民間最終消費支出+民間投資支出
B=B1+B5
さらに略して
民間支出=民間消費+民間投資
B=B1+B5
と、書き変えてもいいかもしれません。データをいじるときに、タイトル変更するとか。
公的需要も同様です。
公的需要=政府最終消費支出+公的固定資本形成+公的在庫品増加
C=C1+C2+C3+C4
公的支出=政府消費+公的投資
C=C1+C5
公的か政府か、どっちかに統一してもいい気がしますがお任せします。そして在庫はいいとして、公的固定資本形成、これ、投資とは言えなんぞや?と思うでしょうが、民間と比較するに住宅や設備に該当するものでしょう。で、政府の設備って道路とかも入るんですよね。
つまりインフラ関連なので公的 「 固定資本 」 形成 なのだと思います。固定資産の方がわかりやすい気もしますが、そうなっているので仕方ありません。
以上、言葉の説明に終始してしまいましたが、、、整理すれば
GDP=国内支出+純輸出
GDP=A+NX
国内支出=民間支出+政府支出
A=B+C
民間支出=民間消費+民間投資
B=B1+B5
政府支出=政府消費+政府投資
C=C1+C5
純輸出=輸出-輸入
NX=EX-IM
ですね。ちなみにちょっと変形すると、よくある形も見えてきます。
GDP=国内支出+純輸出
=民間支出+政府支出+純輸出
ここで民間だけ分解します。
=民間消費+民間投資+政府支出+純輸出
ここで、民間って文字を消して、
また、国内の話しに限りましょう、ってことで純輸出はゼロにすると
GDP=消費+投資+政府支出
できました。この形、実は民間消費と民間投資なのに、それを勝手に省略してしまっているバージョンです。これも初めての人が混乱しかねないポイントです。
話しを戻せば、この中のどれかが、GDPに大きな影響力、、、連動性を持っていて、GDPの内部指標ですけど、GDPに大きな影響を与えているものがあるかもしれません。
となれば、これらとGDPの連動性を、相関係数で調べていくわけであります。それが根本的な性質を調べていく話しになりますが、ただ、この足し算の時点でも、既にわかることがあります。
基本的にはすべてプラスになればいいものなので、民間消費や民間投資を増やしたいのなら、それにプラスになる政策を取ろう!と判断することはできます。
つまり
GDP=消費+投資+政府支出
GDPを増やしたければ消費を増やそう。
GDPを増やしたければ投資を増やそう。
GDPを増やしたければ政府支出を増やそう。
と言えるわけです。逆に、この逆を唱えれば、「こいつ、足し算わかってない」と言えます。
しかし「政府支出を削減しよう」は割りとよく聞くのではないでしょうか。
一端この式を民間支出に戻して
GDP=民間支出+政府支出
GDP=400+100=500兆円
数字を当てはめてみました。何年か前はこんな感じでした。
ここ20年近く、ずっと経済成長が、イコールGDPの前年比がほぼ0%でした。これを5%成長したいと考えたとき、GDPは500兆円から525兆円になればいいわけです。
525 ÷ 500 = 1.05 = 105%
となれば、単純に政府支出を25兆円増やす、つまり政府予算を25兆円増やせば、100%かならず経済成長できるわけです。減らせば、-5%の経済衰退です。つまり、政府の予算次第で景気はコントロールできるということです。
足し算ってだけで、相関や連動うんぬん関係なく、ここまでわかるわけですね。繰り返しですが「政府支出を削減しよう」は割りとよく聞くのではないでしょうか。そんなことを言う人がいたら「あ、この人足し算わかってない」「それ足し算だよ?」と教えてあげてください。
経済は、GDPは足し算なので、新しい政策が出たら、この足し算のどこを増やすのかを考えればOKです。そしてこの足し算項目以外の政策もあるとは思いますが、それでもここに連動性を持って関係してこないと景気には意味がないわけですね。
まぁ、それが正しいとわかっても次は「政府に財源がないからしょうがない」とか、項目の性質も調べずに言ってくる人がいるのでしょうが。
というわけで、まずは次回、各項目とGDPの性質を調べたいと思います。財源項目との連動性の話しはさらにその先、ですかね。
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----編集後記----
今回は言葉の説明、式の話ばかりになってしまいました。GDPの分解したら下位項目がたくさんあったので、丁寧に行く方針なので、、、仕方ないですネ。
というわけで次回は各種相関をみていきたいと思います。その前に各項目の長期グラフを作らないと、、、