現存12天守登城の旅
10番目の登城は 伊予宇和島城
▲2016年11月24日
現存12天守の全登城を目指して、今回愛媛県へ出向きました。
愛媛県には12城のうち、宇和島城と伊予松山城の2城があります。
四国には他にも高知城と丸亀城がありますがこちらはすでに登城済みです。
宇和島城は藤堂高虎が築いたたくさんの城のうちの一つで、当時は直接海に面した城でした。
残念ながら城下からは樹木が多く、かろうじて天守が望見できるだけです。宇和島城に限りませんが、城跡はどこも樹木が鬱蒼として本来の城の風景を楽しむことは困難な状況です。
城下の側からはこちらの門から入ります。城跡自体が入場無料ではありますが、時間的には夜間は閉鎖されています。
石垣を見るとかなり古いタイプだということがわかります。
登っていくと途中に大きな井戸の跡があります。城というのは基本的には軍事的な防御施設で、長期の籠城もありうるのでどこの城でも井戸は必需品です。
森の中を石段を上がっていきます。恐らくは江戸時代には広々として、御用屋敷があちこちに建っていたものと思われます。
門から10分登ると本丸が見えてきます。
本丸への石段まで来て振り返ると天守がそびえているのが目に入ります。
現存天守で有名な宇和島城ですが、ここで残されている建物は天守だけです。先程の門はよそにあった武家屋敷の門を移築したもので、たしかに枡形の高麗門や櫓門とはまるで違う構造です。
天守は本丸の中央の石垣上に建っています。他の櫓や塀が一切存在しないので、本丸広場に唐突に建っている感じで、ちょっと他の城と比べると見劣りがします。
天守の壁面を補修工事中で足場が設置してありました。
桜の季節にはここで花見をするときれいだろうと思います。
他の城の多くは、櫓門や土塀、多門櫓などを随時整備しているので、いずれはここも整備されるのかとは思いますが、城山の鬱蒼とした森といい、せっかくの現存天守が活かされていないように思えました。
次に行く予定の大洲城が木造復元天守で有名ですが、宇和島も現存天守という名前に胡座をかいていると魅力が薄れていってしまうと思います。なにか考えて貰いたいものです。
天守の登城記はまた別稿で紹介します。