事実を検討するより、自分に都合のいい物語を膨らませる人が増えた。
若者から老人までそうだ。
人との関わりの中でもよくあるし、SNSなどのコメント欄を見ていてもそう感じる。
事実よりも妄想を優先し、それを根拠に人を攻撃している人をよく目にする。
そこに違和感を覚える人も多いのではないかと思う。
これは、マイナスの方向にだけ起こることではない。
明らかに問題を起こした人に対して、事実を捻じ曲げてまでズレた持ち上げ方をする場合もある。もちろん、攻撃する必要もない。
さらに、ロマンス詐欺なんかも、その代表だと思う。
自分や周りの状況を見ず、思考力が鈍り、妄想で固められた考えのまま、金を振り込んでしまう。
もちろん、悪いのは詐欺を働く側だ。
ただ、被害者側にも落ち度があるように思うことがある。
実際に被害に遭った人たちが話しているのを見ていると、節々に他人を見下すような感覚がにじんでいることがある。
ある女性は、
「日本人よりも外国人のほうが性格がよく、優しい」
と話していた。
見た目も外国人のほうがいいそうだ。
これらは、単なる好みなら全く問題ない。
だが、その人の話を聞いていると、単なる好みというより、「日本人なんか自分のレベルには合わない」とでもいうような感覚が透けて見える。
しかも、それを恥ずかしげもなく口にしてしまう。
そもそも、金を引き出したいのだから、甘い言葉や優しい言葉をかけるのは当たり前のことだ。
本当にやさしい人は、あなたの生活を心配するし、会ったこともない相手に金を振り込まないよう注意するだろう。
まさに思考力が地に落ちている。
投資についても、自分では一切調べたり勉強したりせず、相手の話だけを鵜呑みにする。
そして、うまい話を前にして欲望を膨らませ、考えることそのものを放棄してしまう。
詐欺師が一番悪い。
それは間違いない。
だが、被害者側の射幸心に駆られた行動まで見てしまうと、どうしても単純に「可哀想だ」とだけは思いにくい。
引っかかった人の人間性そのものを全否定しているわけでもない。
自分に甘くなってしまうことは誰にでもある。
ただ、この件に関しては、人間の欲や傲慢さのようなものが色濃く見えてしまう。
そして、自分がなぜ騙されたのかを振り返らず、ただ「自分は被害者だった」で終わってしまえば、今後も似たようなものに引っかかり続けるのではないかと思う。
話がそれてしまった。
思考力ではなく、妄想力ばかり身につけた人々とは何なのか。
それは、
根拠から結論を出すのではなく、結論を先に決め、その周囲を妄想で囲う人々だ。
自分が信じたい結論を先に置き、それに都合のいい事実だけを拾い、足りない部分は想像で埋める。
そうやって出来上がった物語を、いつの間にか事実そのものだと思い込む。
こういう人間は昔から多かったのかもしれない。しかし、ネットの普及で目にすることが多くなってしまった。
うんざりしている人も少なくないはずだ。