勉強時間と結果は比例しないから、成長曲線をもとに考える必要がある 


前回、「卵焼きは500回焼いても上達しない」ということで、繰り返すだけでなく、意思をもって学習しないと成果が上がらないことをお伝えしました。

今回は、勉強時間と成果の関係に関してまとめたいと考えています。

結論としては、勉強時間と成果は比例しません

直線ではなく、S字カーブのようなグラフになります。成長曲線と呼ばれるグラフのような曲線になります。



これを理解して勉強を進めないと、才能が無いと諦めてしまったり、逆にあまり成果も出ないのに膨大な時間を費やしてしまう可能性があります。

ステージ1: 準備期 


最初のステージは「準備期」です。

グラフの左側成長が緩やかな部分です。基本的な概念や方法論を学び始める時期です。



この段階では、勉強の結果がなかなか成果として現れません

時間を費やしても、成果が現れないため、自分には才能が無いと思い、あきらめてしまう人も多い段階です。しかし、必ず結果は出ますので、この段階であきらめてしまうのはもったいないです。
ここでの努力が、後の急速な成長につながります。

この段階では、学習を始めるための基礎を固める時期です。新しい知識やスキルに触れ、基本的な概念や方法論を学び始めます。

例えば、私たちが新しい言語を学び始めた時、最初のテストでは40点ほどしか取れなかったかもしれません。しかし、基本的な単語やフレーズを覚えることで、次第に理解が深まり、点数も徐々に上がっていきます。このステージでは、学習初期の努力が後の成績向上に大きく寄与します。

ステージ2: 発展期 


次のステージは「発展期」です。

グラフの中央、成長が急激に進む部分です。基礎を活用して高度な内容やスキルを習得する時期です。



この段階では、基本的な知識を活用し、より高度な内容やスキルを習得し始めます。学習の進捗が急激に進む時期で、成果が目に見えて現れることが多いです。

例えば、最初のテストで40点だったのが、次のテストでは70点、さらには80点と急速に点数が伸びる時期です。

言語学習であれば、簡単な会話ができるようになり、テストでも高得点を取れるようになります。成長曲線では、この部分が急激な上昇を示します。

ステージ3: 熟達の停滞期 


最後のステージは「熟達の停滞期」です。
グラフの右側、成長が再び緩やかになる部分です。持続的な努力が必要な時期です。



この段階では、学習の成果が一定の水準に達し、成長が緩やかになる時期です。新しい知識やスキルの習得が難しくなりますが、持続的な努力によって少しずつでも進歩を続けることが重要です。

例えば、テストの点数が90点前後で安定し、それ以上の成績向上が難しくなる時期です。この段階では、さらに高度な知識や応用力が求められるため、学習の進捗が緩やかになります。

言語学習においては、ネイティブレベルの会話や複雑な文章の理解が求められるのがこのステージです。

成果を最大化するための戦略 


各ステージでの学習成果を最大化するためには、以下の戦略が有効です。

1. 小さな目標を設定する
大きな目標ではなく、小さな目標を設定し、達成感を得ることでモチベーションを維持します。

2. 学習方法を多様化する
同じ方法での学習が飽きる原因になるため、違うアプローチやツールを使って学習を進めます。

3. 定期的な振り返りを行う
自分の進捗を定期的に振り返り、どれだけ進んだかを確認することで、成長を実感します。

私自身も娘と一緒にこれらの戦略を実践しています。
例えば、英語の学習の際には、同じ問題集を使うだけでなく、オンラインの動画解説やアプリを使って違った角度から学習することを心がけています。

また、週末には一週間の学習成果を振り返り、フィードバックをすることで、次の週へのモチベーションを高めています。

最後に 


成長曲線の3つのステージを理解することで、勉強の進め方に対する見方が変わります。

準備期を大切にし、発展期の急成長を楽しみ、熟達の停滞期の持続的な努力を続けることで、長期的な学習効果を最大化することができます。

そして、大学受験や資格試験であれば、100点を取る必要はありません

停滞期に入っている得意な科目や分野に力を注ぐよりも、準備期や発展期の苦手な科目や分野を伸ばす方が効率的な場合が多いです。

得意な科目や分野の勉強の方が楽しいし、集中できるので、モチベーションを高めるためにも必要です。
しかし、総合得点を高めるためにどうすべきかを考えることが大切です。