研究結果をもとに予習と復習の効果的な学習方法をまとめた本 


篠ヶ谷圭太さんの『使える! 予習と復習の勉強法 ――自主学習の心理学 』を読みました。


中学生や高校生、大学生に向けて、予習と復習を中心として、効率的、効果的な学習法をまとめています。

心理学の理論や研究結果にもとづいた方法が紹介されていて、実証実験の結果なども提示されています。


学習効果の根拠が明確に記述されているので、書いてある勉強法の信頼度は高いです。



心理学の理論や研究結果にもとづく学習法 


著者の篠ヶ谷さんは教育学の博士であり、学習心理学の教授でもあるため、研究結果が明確に示されています。


50以上の研究結果や論文をもとに構成された内容は、非常に納得させられる方法ばかりです。


そのかわり、学術的な内容が多い分、難しく感じる箇所もあります。中高生に向けて書かれている本ですが、中学生には難しいのではと感じる部分もありました。


気楽に読めるハウツー本を求めている人には少し読みづらいかもしれません。


ただし、紹介されている学習法自体は難しいものでは無いので、実践はできます。

きちんと科学的な根拠がある学習法なんだと思いながら取り組めば、その分、効果も高まるはずです。


予習と復習の効果 


本のタイトルにある通り、勉強法の中でも予習と復習をテーマにした方法が多く紹介されています。


私には予習の効果と学習法が新鮮でした。

復習や繰り返し学習をテーマにした勉強法が多いように感じますが、予習に関して効果や方法などを具体的に解説している本は少ないのではないでしょうか?


次の授業で何学ぶのかを把握し、予習で得た知識の「なぜ」について疑問をもっておくことが大切だそうです。


ぜひ、娘や学生の人には授業を受ける前に実践して欲しいです。

社会人の私も、紹介されていた予習方法を前日に実施して、翌日に本格的な学習をするようにしようと考えています。


自分にあったやり方が大切 


本の表紙には下記のように書かれています。


    

「これをやっておけば大丈夫」という最強の勉強法があるわけではないということは最初にお伝えしておきます。
一番大切なことは、「こうやるしかない」と思い込んで、一つのやり方に固執するのではなく、色々なやり方を知って、その中から自分に合ったやり方を見つけていく姿勢を身につけることです。


予習と復習をテーマにはしていますが、勉強はやり方次第、自分の勉強を自分で調整するという部分でも多くの内容が紹介されています。


勉強方法に関しての書籍は、毎年、数多く出版されています。


本の内容を全部を取り入れようと無理はせず、少しだけでも良いから実践してみて、自分に合ったやり方を見つけていくことが大切だと、私も思います。