ー とも和え ー

 

小樽でもあんこうが獲れる。

スーパーや市場などでは肝が入ったブツ切りで販売されている。

あまりにも肝が大きいので思わず購入した。

 

↑初心者にはどうしていいのか途方に暮れるビジュアル。

 

料理教室の生徒さんにあのブツ切りはどうやって処理をすれば良いのか

良く訊かれる。馴染みがないとなかなか購入には至らない状態だ。

 

まず全体に塩をまぶし10分ほど放置したのちよく洗い、湯を沸かし2分ほど

茹でこぼし流水で洗い良く水気を切る。

肝は酒に30分ほど漬けて臭みをとる。

ここまでが下処理である。

 

↑茹でこぼして下処理をしたあんこう。

 

あんこうの肝は居酒屋メニューで蒸して食べる方が多いかと思うが、

私は茹でた身を細かく切って肝と和えるとも和えが好きだ。

 

底引き網の漁師のだった私の家では、あんこうが網に入ったら小さい物は市場に出さず家で食べる物だった。

母は外の流しの上でよく釣るして下ろしていたものだ。

そして決まってとも和えだった。

 

↑肝は火が入ると直ぐにとけていく。

肝は脂がのっているのでそのまま炒める。

そこに茹でこぼした身や皮、内臓などを細かく切って一緒に炒め味噌や酒などで

味付けするだけなのだが、あんこうを最も美味しく食べる事ができる調理法だ。

 

↑身や皮、内臓も一緒に炒める。

↑仕上げにネギを合わせて出来上がり。

 

コレが炊きたてご飯に合う。

ご飯のお供選手権なら必ず上位に食い込むこと間違いなしだ。

 

↑ご飯がとても進む。

 

当たり前に食べていたあんこうのとも和えも、今では作れる人が少なくなっていると思う。こうした食文化を伝えていくのが私の役割だと思っている。

 

勇気を持ってあのブツ切りを手に取る方が増える事を願っている。