ご無沙汰しておりました。

前回の更新から気づけば1か月半近く…

その間久々にフランスを訪れていました。

目的のひとつはもちろん

「地方菓子・料理」探訪です!

(今回訪ね歩いた地方菓子たちです)


今回特に訪ねてみたかったのが

ロレーヌ地方の主要都市ナンシーでした。

パリ東駅からTGVで約1時間半と少し。

ロレーヌ地方と言えば、

地方菓子愛好家にとってはなじみ深い土地。

ポーランド出身の

スタニスラス=レクチンスキ王が

祖国を追われた後に

ロレーヌ公国を治めていましたが、

その娘のマリー=レクチンスキが

ルイ15世に嫁いだことでも知られています。

その際伴った

お抱えの菓子職人がストレール。

革命後に失職した彼が、

パリで開いたパティスリーが

有名な「ストレール」…

と、話し出したら止まりませんね(笑)


そのレクチンスキー公ゆかりのお菓子が

         こちら

「ババ・オ・ラム」です。

ラム酒のシロップをたっぷりしみこませた

ブリオッシュに

たっぷりのクリームが添えられます。

このブリオッシュはポーランドのパン菓子、

バブカがベースだったとも。

(ちなみに最近フランスでは

バブカが流行中!)


町の中心広場はずばり

「レクチンスキー広場」

アールヌーヴォーの町にふさわしい

美しい広場でした。

そう、この町を語る際に欠かせないのが

アールヌーヴォー。

19世紀末から20世紀初頭にかけて、

ナンシーを中心に活躍した芸術家の派閥を

ナンシー派と呼びますが、

美しい曲線を主体にしたフォルムや

草木や昆虫などをモティーフにした表現で

知られています。

エミール・ガレは日本でも人気ですね。


今回TGVに大幅な遅延が発生し、

美術鑑賞に十分な時間が取れなかったのが

悔やまれますが、

インフォメーションの方に勧められて

Villa Majorelleを訪ねてみました。

実はアールヌーヴォーは

それほど好みではない…

と思っていたのですが、

実際訪れてみて、

その無駄のないエレガントさに一目惚れ。

美しいカーブを描く階段の手すりや

婦人の寝室のしつらいなど、

いつまでも眺めていたい美しさでした。


町には二つの美術館もあり、

それぞれに魅力的ですが、

インフォメーションで頂いた

マップによると、

町の至る所に美しい建築物が

残っているようで、

必ず再訪すると心に誓ったのでした。


…と、ここまでは序章。

次回の更新で、

いよいよナンシーのお菓子の

足跡をたどります。