引き出しから発掘
中学の美術の時に作ったのかな？
懐かしいな
このナイフの完成には少し話があってだな
当初
学校から渡された木材はこれほどきれいな茶色ではなかった
肌色の軽い木材で
まぁ造形がどれほど上手に出来るかというのが課題だから
木材の質なんかは気にする必要はなかったのだ
そんななかナイフが完成してから
段々とこの安っぽいナイフが嫌になってきた
艶も出して高級感漂うナイフを作ってみたくなったのだ
そこで使ったのがオレンジオイル
楽器の汚れおとし、艶出し、乾燥防止に使うオイルである
これをナイフに塗っては乾かし、布で磨いて
塗っては乾かし、布で磨いて
しばらく続けて、画像のような色になった
色には満足したが
艶に関しては不満だった
全く艶がない
テカりのテの字もない
悩んだ俺は一つ案を出す
「とりあえず布で磨いていればいずれテカるだろう」
てなわけで
ゴシゴシゴシゴシ
ゴシゴシゴシゴシゴシゴシ
ゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシゴシ
スパッ…………
親指が切れた
どうやら造形は合格点だったようである
血を見てテンション下がった俺は
黙って机に向かうのだった…………………
ついさっきの話
