「お茶の倉惣」破産へ 江戸期創業甲府の老舗 主軸の卸売り不振 | yamadatarouのブログ

「お茶の倉惣」破産へ 江戸期創業甲府の老舗 主軸の卸売り不振

 帝国データバンク甲府支店は31日、江戸時代に創業して178年の歴史がある、県内のお茶卸売り・小売りの老舗「倉惣茶商店」(甲府市中央4丁目、網倉勇社長)が同日事業を停止し、自己破産申請の準備に入った、と発表した。負債額は約3億円。清涼飲料水の多様化などで消費者の嗜好(しこう)が変化、お茶の販売だけで収益を確保できなくなったことが背景とみられる。

 同支店によると、「お茶の倉惣」で知られる同社は1832(天保3)年創業。県内にあるお茶・コーヒー類の卸売業者14社のうち、売上高は中位だった。

 スーパーなどの小売店を中心に取引したほか、甲府市内の二つの百貨店に店舗を設けて営業。売上高は2004年1月期に約1億5300万円だったが、消費低迷や価格競争の激化で09年1月期は約7600万円まで激減。3期連続の赤字決算に陥り、資金繰りが悪化した。

 飲み物の消費者ニーズが多様化する中、同支店は「お茶の卸売りだけで経営を成り立たせるのが難しい市場環境になっている」と指摘。同社の売り上げの9割以上を占める卸売部門のうちスーパーなどとの取引では、総合食品卸売業者などに押されていて、売り上げに影響したとみている。
2010.4.1山梨日日新聞