病院のすぐ近くのわたなべ書店・・
僕が子供のころ・・否・・生まれる前からあるので
創業は60年を超えているはずだ・・
ハードカバー・文庫・専門書・写真集・・
映画のパンフレットから官能ものまで・・
30坪ほどの店内には書籍が・・古書が詰まっている・・
その店の店頭に木製の本棚があり・・
古い文庫は100円コーナー・50円コーナーの棚に収まっている
風さらし・・一度・・雨ざらしになっているのも見かけたことがある
僕が病院に行く前・・この本棚の50円コーナーから
「ドラゴン刑事・怒りの危機一髪」をチョイスしたのだ
僕はこの痕跡本を・・わたなべ書店の本棚に戻そうと思うのだ・・
そしてそれはそっと・・誰にも気づかれずに戻さなければいけない
買取だといって店員にこの本を預けたとしても
おそらくその場で買い取れませんと言われてしまうに違いない
それほどまでにこの本の賞味期限は切れている・・
ましてや店員さんにこの本のページをパラパラとめくられ
検品されれば最後のページがハラリと宙を舞うだろう・・
これは誰にも悟られず・・
本棚に戻し・・・そしていつか誰かが・・
この本を何気なく購入し・・
A・・メガネをかけた痩せ型草食オタク男子・・
B・・60歳代の白髪長髪ひげを蓄えた賢者タイプ
そして僕の作成した最後のページを・・
その痕跡の数々を発見することであろう・・
あぁぁぁ・・なんだ?このワクワクゎ・・
どうか次この本を手にする購入者が・・
鈍感な愚民でないことを祈る・・
この我々の痕跡を発見し推理し・・
痕跡という名の宇宙を旅する時空の旅人であれ!!
オオ!!痕跡という名の海原に
冒険というドラマを略奪する海賊であれ!
さあ!我ら痕跡のシェフ達の満干全席!!
趣向を凝らしたグルメをフルコースを味わえよ!!
今までにない高揚感・・僕は鼻の穴を膨らまし・・
今・・わたなへ書店の前に着いた・・。
続く・・
