テレビで高市首相とトランプ大統領の会談を観ていて、ふと昔の同僚のことを思い出しました。
彼女は常日頃から自分が仕事のできる人間だと公言しており、実際、実務においては言葉通りの働きぶりを見せる人でした。
ただ、そのプライドのようなものが一般的なマナーを上回ってしまう妙なところがありました。
例えば、エレベーターに乗り合わせると、彼女はたとえ自分がボタンの前に立っていても、他の人を押しのけて真っ先に出ていこうとするのです。
最初にその振る舞いを目にした時はびっくりしましたが、ビジネスマナーを知らない、ただの粗野な人なのだろうと思いました。
しかし、ある時エレベーターに社長が乗り合わせると、彼女は社長が降りるまで「開」ボタンを押して待ったのです(社長が降りると他の人を押しのけて我先にと降りていきましたが)。
その時、彼女の行動原理が初めて分かった気がしました。
この同僚にはよく飲みに誘われたのですが、彼女はいつも私より一杯でも多く飲むことに命を懸けているようでした。
もちろん割り勘なのですが、おそらくそれは、「お前は私より格下なんだから、多く払うのが当然」という論理だったのです。
彼女にとって他人は「自分より上か下か」であり、その基準が彼女の振る舞い方を決めていたようです。
日米首脳会談を観ていると、あの同僚に感じたのと同じ種類の居心地の悪さが蘇りました。
ウェイト=スミス版タロットの「悪魔」は、何かに囚われてしまうことの危うさを示唆するカードです。
他人の目から見れば、どれだけ異様で横暴な振る舞いであっても、当の本人にとっては、それこそが「自分が他人より上」であることの証しなのですから、こんな厄介なことはありませんよね。
