映画「マトリックス」とタロット占いの共通点 | さざ波スワン ~タロットと旅する~

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タロットの話題を中心に、音楽、映画、本、アートなど、様々なことをおしゃべりします。毎週日曜の夜8時にワンクリック占いを投稿しますので、ぜひお試しください。

昔、勤めていた会社の守衛のおじさんが趣味で占いをやっていて、すごく当たると社員の間で評判になっていました。
今では絶対にアウトだと思うのですが、社員の個人情報を閲覧できる立ち場を利用して、ある時、占いに必要な私の生年月日などを勝手に参照し、頼みもしないのに鑑定結果をくれたことがありました。
その時の私の何とも言えない表情を見て、おじさんは初めて、皆が皆占いを喜ぶわけじゃないんだ、と気がついたようでした。
ところで、その鑑定結果が当たっていたかどうかですが、記憶では一つだけ、「ああ、当たっていたな」と思うことがありました。
しかし、鑑定結果に書いてあるから、私がその通りに行動したわけでもなく、さらにはその鑑定が当たったおかげで私に何か良いことがあったわけでもありませんでした。
ただ、一瞬、「ああ、そう言えば、これに当てはまるようなことが鑑定結果に書いてあったな」と思っただけでした。
占いが当たるか当たらないかということに対する私のスタンスは、タロット占いをしている今でも当時とほとんど変わりありません。
かろうじて変わった点を挙げるとするならば、現在は占いの目的が未来を当てることではないと確信していることかもしれません。

少し前からキアヌ・リーブスの映画の話ばかり書いていますが、今回もキアヌが主演した「マトリックス」についておしゃべりしたいと思います。

 


というのも、この映画の根本的思想には、私の考える「タロット占いの良さ」に通ずるものがあるような気がするからです。
「マトリックス」をご覧になったことのない方のために簡単にあらすじをご紹介します。
申し訳ありませんが、結構ネタバレしてしまうため、これからご覧になる方はどうぞご注意ください。

トーマス・アンダーソン(キアヌ・リーブス)は大手ソフトウェア会社のプログラマーでありながら、天才ハッカー「ネオ」というもう一つの顔を持っていました。
ネオはずっと、自分が生きているこの世界に対して得体の知れない違和感を抱いており、その謎を解くために、コンピュータでモーフィアスという人物を検索し続けていました。
ある晩、ネオはコンピュータに侵入してきた何者かの指示に従って、謎の女性トリニティーと出会います。
彼女は「私もかつてあなたと同じ疑問を抱いていた。モーフィアスはあなたを探している」とネオに告げます。
この時点で、ネオは「疑問」を解く鍵はどうやら、「マトリックス」と呼ばれるものにありそうだと感じ取ります。
翌日、ネオはいつも通り出社するものの、いきなり届けられた携帯電話でモーフィアスから指示を受けながら、職場に押しかけて来た警察から逃れようとして失敗します。
警察の取調室で、エージェント・スミスという男にモーフィアスについて尋問されるも、ネオは反抗します。
すると、ネオの口は物理的に封印されてしまいます。
ネオはエージェントたちに取り押さえられ、腹部に虫のようなロボットを埋め込まれてしまいます。
次の瞬間、自宅のベッドで目覚めるネオ。
ネオは再びモーフィアスの指示により、トリニティーとその仲間が待つ場所へと向かいます。
モーフィアスに会うことを決意したネオに対して、トリニティーは彼の腹の中に埋め込まれた虫型ロボットの駆除を行います。
エージェントたちに尋問を受け、ロボットを埋め込まれたことが夢ではなかったことにネオは愕然とします。
連れてこられたビルの一室で、ネオはモーフィアスから赤と青の二つのカプセルのどちらかを選ぶことを迫られます。
青いカプセルを飲めば、マトリックスに関する謎をはじめ、この件の何もかもがここで終了し、ネオは元の日常に戻ることになります。
赤いカプセルを飲めば、全ての謎が明かされることになります。
どちらを選んだとしても、もう後戻りはできない、とモーフィアスはネオに宣告します。
ネオは躊躇せず、赤いカプセルを手に取り、飲み込みます。
ネオはそのまま別室へと誘われ、モーフィアスの部下たちによって、覚醒させられます。
覚醒したネオは、自分が培養漕のような容器の中に閉じ込められ、体に何本ものケーブルが接続されているのを目の当たりにします。
しかし、そんな状態にいるのはネオ一人だけではありませんでした。
巨大な建造物にはおびただしい数の人間たちがネオと同じ状態で眠っているのでした。
覚醒したネオは廃棄され、モーフィアスたちのホバークラフトに拾われます。
実は、ネオがこれまで現実だと思っていたのは「マトリックス」というプログラムの中の仮想世界だったのです。
現実の世界では、コンピュータが人間を支配し、人間はコンピュータの動力源として容器の中で培養されていたのでした。
モーフィアスたちは、人間主導の世界を取り戻すべく、コンピュータの支配に立ち向かう戦士たちだったのです。
モーフィアスはネオが自分たちの「救世主」であると堅く信じていました。
あらゆる戦闘技術をプログラミングによって取得したネオは、モーフィアスたちと再び「マトリックス」の中に入り込み、「預言者」と呼ばれる婦人に会いにいきます。
ネオは「預言者」から「あなたは残念ながら救世主ではない」と告げられます。
ネオは肩の荷が下りたような気がしますが、再び現実世界に戻ろうとしたその時、エージェントたちがモーフィアスたちに襲いかかってきたのでした。


あらすじはここまでにしておきます(なんだかとっても長くなってしまいました💦)。
なぜ、この映画をご紹介したかったかというと、ここに出てくる預言者の振る舞いが私の考える「タロット占い」のあるべき姿に重なるからです。
ネオたちが預言者に会いにいった場面をもう少し詳しく描写すると、預言者はまずネオに「自分が救世主だと思うか?」と尋ねるのです。
ネオが「自分は救世主じゃない」と答えると、「残念ね。あなたは救世主ではない」と預言者は認めます。
お分かりになるでしょうか。
預言者はネオが救世主かどうかをネオ自身に決めさせたのです。
その後、マトリックスの中でエージェントに捕まってしまったモーフィアスを見捨てなくてはならなくなった時、ネオは「自分は救世主ではない。でもモーフィアスを救い出せると信じている」と言って彼の救出に向かいます。
結局、ネオはモーフィアスの救出に成功するのですが、ネオは気まずそうにモーフィアスに告白します。「自分は救世主ではない。預言者もそう認めたんだ」と。
しかし、モーフィアスはこう言うのです。

「預言者は必要なことだけ君に教えた。それだけだ。道を知ることと実際に歩むことは違う

つまり、ネオが救世主かどうかを知ることより、ネオが自ら救世主らしい行動を取るかどうかこそが重要だったということです。
そう言えば、ネオは覚醒する前にこんなことを言っていました。

運命は信じない。人生は自分で決めるものだ

ネオがこういう信条を持っている人間だからこそ、預言者はネオにあらかじめ「あなたは救世主だ」と教えることに意味がないと考えたのだと思います。

タロット占いにはこれとよく似たところがあります。
これから自分に何が起こるのかを占いによって知ることより、相談者様ご自身が実際にどう考え、行動するかということのほうずっと重要だという点です。
偶然出たタロットカードの視点からものごとを見直してみることで、思考は動き始めます。
そうやって思考を働かせながら、自分の歩み方を模索していくことこそがタロット占いの醍醐味であると私は考えています。

なぜタロットカードの視点からものごとを見直してみることが重要なのか、疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれません。
実は、映画「マトリックス」の中には、その答えに相当するものも含まれています。
上手く説明できるかどうか、ちょっと自信がありませんが、後日、またこれについて、おしゃべりさせていただければ、と思います。

 

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