今日はウェイト=スミス版タロットの小アルカナから「ソードのナイト」をご紹介したいと思います。
ソードとは剣で、ナイトとは騎士です。
このカードの絵をご覧になった時、こんな掛け声が聞こえてはこなかったでしょうか?
「やーっ!」
敵に向かってまっしぐら、ただただ前を向いて突進していくような絵ですよね。
このナイトが手にしているソードは「思考」を象徴しています。
彼は自分が正しいと考えること、つまり自分にとっての正義を声高らかに主張しているのです。
もし相手が異議を唱えようものなら、真っ向から「それは間違っている!」と反論し、場合によっては戦いも辞さない覚悟でいます。
こういう態度は、二通りの言い方で表現できると思いませんか?
1)正義を貫き通す
2)正義を振りかざす
なんとなく、1)は善行っぽくて、2)は傲慢さが強調されているような感じです。
「ソードのナイト」に描かれた彼はもちろん、1)のつもりで馬を走らせています。
ただ、そんな彼を客観的に見た時、本当は1)なのか2)なのかは、場合によりけりではないでしょうか。
タロットカードには良いカードも悪いカードもありません。
言ってみれば、善悪とは人間特有のものの捉え方であり、もしも天上界なんてものがあるとすれば、その領域から眺めた時、人間が善と捉えるものも悪と捉えるものも、おそらく単なる一つの現象にすぎないのかもしれません。
この「ソードのナイト」の絵も、善悪のない天上界から見たものだと考えると分かりやすいのではないでしょうか。
つまり、人間の目で見た時に初めて、この絵のナイトの態度は、善に悪にもなり得るということです。
もしも、タロット占いでこのカードが出たら、まずは単純に「自分が正しいと思う方向へ突き進め」と受け取ってみるとよいかもしれません。
ただ、そう受け取った後で、自分が最終的にどう感じるのか―それは占い師との対話を通して、新たに見えてくる問題だとも言えます。
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