先日、ブロ友のgeminiさんがプラトンの『饗宴』という本を要約した記事を投稿してくださいました。
実はこの記事を図々しくもリクエストしたのは、何を隠そうこの私なのです。
自分ではとても読み通せないこの本の内容を、既に読まれていたgeminiさんに「教えてくださ~い」と軽々しくお願いしたのでした。
しかし、投稿された記事を拝見して、冷や汗が出ました。
この記事、詳細かつ丁寧に内容を説明してくださっているのにもかかわらず、とても読みやすく、分かりやすいのです。
正直、この記事を使って、「プラトンの饗宴を読む」みたいな文化講座が開催できてしまうんじゃないかと思える程です。
この執筆にどれだけの労力を費やされたのだろうと想像すると、軽々しく「教えてくださ~い」なんてお願いしたことが本当に申し訳なくなりました。
geminiさん、大変ありがとうございました。
そもそも、なぜ『饗宴』の内容を知りたかったのかというと、西洋占術研究の第一人者でいらっしゃる伊泉龍一先生がウェイト=スミス版タロットの「恋人」の解説時にこの『饗宴』に言及されたからなのです。
ウェイト=スミス版タロットの22枚の大アルカナには、ヘブライ文字が割り当てられています。
「恋人」のカードに割り当てられたヘブライ文字は「ザイン」です。
ヘブライ文字にはそれぞれ意味があるのですが、「ザイン」は「剣」という意味を持っています。
恋人という甘い言葉に、剣という武器を表す言葉がペアリングされることに違和感を抱く方もいらっしゃるかもしれません。
現に私がそうでした。
しかし、この二つがちゃんと結びつく理由が、『饗宴』の中に書かれているのです。
geminiさんの記事の「⑦の主張」という部分をお読みいただければ、ほとんど答えはお分かりになるかと思います。
この段落では、私たちが恋に落ちる理由、つまり、他者と一体化したいという欲求に駆られる理由を一つの神話で解説しようとしています。
つまり、元々一つの球体だった人間が真っ二つに分断されてしまったために、私たちは分離された片割れを探し求めてしまうというのです。
剣は球体の分断と関連しているわけなんですね。
ウェイト=スミス版タロットは、占星術とも深く関わりがあり、実は「恋人」のカードには、占星術の双子座が対応しています。
占星術において、双子座の支配星は水星と定められていますが、この水星はコミュニケーションと関連する惑星だと言われています。
つまり、私たちは分離されているが故にコミュニケーションを必要とするのだ、という意味合いも含まれてくるのです。
geminiさんのすばらしい記事のおかげで、大変楽をしてタロットについて勉強することができました。
あらためて、感謝を申し上げたい次第です。
<参考資料>
・伊泉龍一先生「生命の木」講座
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