幽霊とタロットカード | さざ波スワン ~タロットと旅する~

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タロットの話題を中心に、音楽、映画、本、アートなど、様々なことをおしゃべりします。毎週日曜の夜8時にワンクリック占いを投稿しますので、ぜひお試しください。

あなたは幽霊を信じますか?

これは、ある種定型化した質問だと思うのですが、私はいつも二つの理由から答えに困ってしまいます。
理由の一つは、「この質問は結局、死後の世界を信じるかどうかということを訊いているんだろうか」とまずは確認したくなってしまうから。
もう一つは、「信じる」、「信じない」の二者択一を迫られた途端、「すみません、そこまで真面目に考えてません」と尻込みしてしまうヘタレだからです。

「シックス・センス」という映画をご覧になったことはありますか?

 


この映画については絶対にネタバレを書いてはならないと思うので(ご存じの方も多いと思いますが)、ものすごく簡単なあらすじだけを記載します。

児童心理学者のマルコムはある晩、自宅に侵入してきた元患者に銃で撃たれてしまいます。
その一件以来、マルコムと妻の関係は冷え切った状態となります。
マルコムは新たにコールという少年のカウンセリングを引き受けます。
コールの両親は離婚しており、一緒に暮らす母親はコールが時折見せる不可解な言動に頭を悩ませていました。
最初は堅く心を閉ざしていたコールでしたが、マルコムの誠意ある態度によって次第に心を開くようになり、とうとう自分の秘密を打ち明けます。
コールの秘密とは、幽霊が見えることだったのです・・・・。

と、あらすじはここら辺までにしておきます。
この映画で、コールは幽霊たちの特徴として、「そこらじゅうにいる」、「自分が見たいものだけしか見ない」、「自分が死んでいることを知らない」といったことを挙げます。
幽霊を信じるか信じないかはいったん置いておいて、幽霊が見えると言う人たちが挙げる幽霊の特徴には結構共通点があります。
YouTubeなんかで幽霊が見える人同士の対談を観ていると、「そうそう、そうだよね!」とお互いに共感を示し合ったりして、霊感のない私なんかは「へー!」なんて身を乗り出して聞き入ってしまいます。
幽霊の見える人に共通した苦悩はやはり、幽霊を信じない人から噓つき呼ばわりされることではないでしょうか。
「シックス・センス」のコールも、マルコムをとことん信用するまで、幽霊が見えることを頑なに秘密にしていました。

ウェイト=スミス版タロットの「世界」は、現実世界であらゆるものが調和して、ある意味、その状態で固定されたことを示すカードです。

 


しかし、ここでいう「世界」とは、あくまで人それぞれの「世界」のことだと私は思っています。
例えば、私自身のことで言えば、「私は霊感がなくて、幽霊なんて見たこともないけど、幽霊が見える人の話は面白いよなぁ。あの人の言っていることは本当っぽいけど、こっちはどうなんだろう。大体まとめてみると、幽霊ってこういう感じなんだろうなぁ」というのが「世界」です。
一方、コールの世界はこんな感じでしょうか。
「僕には幽霊が見える。そこらじゅうにいて、普通の人間と見間違うくらいはっきり見える。でも、こんなことは迂闊に口に出してはいけない。本当に信用できる人にしか打ち明けてはいけないんだ」
また、幽霊を信じていない人の世界はシンプルにこうでしょうか。
「幽霊なんていない。死後の世界もない。以上!」

私たちはいったいどこから来て、どこへ行くのでしょうか。
自分なりに、「こんな感じなのかなぁ」と考えることはありますが、それが真実かどうかなんて全く分からないというのが正直なところです。
そういったこともひっくるめて、今ここに「世界」があるのだと、タロットカードは示唆している気がします。

 

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