映画「ザ・セル」とタロットカード | さざ波スワン ~タロットと旅する~

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いつも古い映画を取り上げているので、今日はギリ2000年代の映画、「ザ・セル」についておしゃべりします。

小児専門の精神科医キャサリン(ジェニファー・ロペス)は、最先端医療施設で、ウィルス性の統合失調症によって昏睡状態に陥った少年エドワードの治療にあたっています。
その治療法とは、特殊な装置を使って、キャサリンがエドワードの精神へ入り込み、その世界観の中でエドワードの意識を回復させるというもの。
しかし、エドワードの昏睡状態はなかなか進展を見せず、キャサリンは危険だと言われている、逆伝達、つまり、エドワードを自分の精神へ招き入れることを提案します。


同じ頃、女性を誘拐して水槽の中で溺死させるという、異常犯罪を繰り返す殺人犯スターガーが逮捕されます。
スターガーが昏睡状態にあるため、直前に監禁した女性の居場所を聞き出すことができないFBI捜査官のピーターと警察は、彼をキャサリンのいる最先端医療施設へ運び込みます。
タイマー仕掛けで放水される部屋に閉じ込められ、溺死させられた過去の被害者のビデオを見せられたキャサリンは、恐怖心を封じ込め、スターガーの精神へ入り込みます。
スターガーの精神世界でキャサリンが見たものは、歪んだ王国の支配者として君臨する邪悪なスターガーと、父親の壮絶な虐待に怯える純粋な子ども時代のスターガーでした。

ここからネタバレ(青文字)です。

異常極まりないスターガーの精神世界におののき、一度は治療から逃げ出したキャサリンでしたが、ピーターの熱意と信念に心を打たれ、再び、治療へと挑みます。
しかし、あまりに強烈なスターガーの精神世界で、キャサリンはそれが現実ではないことを忘れてしまいます。
このままでは、キャサリンが現実世界に戻ってこれないことを知ったピーターは、自らがその装置でスターガーの精神世界へと乗り込んでいきます。


スターガーの王国の囚われの身となっていたキャサリンを、ピーターは命からがら目覚めさせます。
ピーターは監禁された女性の居場所の手がかりを見つけ、キャサリンと共に現実世界へと戻ります。
ピーターは独自の鋭い直観を働かせて、被害女性の居場所を突き止め、彼女を危機一髪で救い出します。
キャサリンは、禁じ手であった逆伝達で、スターガーを自分の世界へと招き入れ、邪悪なスターガーの息の根を止めますが、それと同時に子ども時代のスターガーも彼女の腕の中で息絶えたのでした。


この映画の見どころの一つは、キャサリンが入り込んでいく「精神」の世界の描かれ方で、観客は冒頭から、スクリーンいっぱいに広がる、世界のどこかにありそうでなさそうな、幻想的で色鮮やかな光景に圧倒されます。
スターガーの歪んだ精神世界は、複数のイメージから成り立っています。
例えば、倒錯した快楽をコレクションした薄暗い地下牢、超人願望を具現化したような風貌の自分が君臨する、きらびやかで荘厳な宮殿、まるで小人か人形遊びの家のような子ども時代の実家など。
好き嫌いは別として、そのどれもが、とにかく目を奪われる芸術作品のようなセットなのです。
ちょっと意外だったのは、キャサリンの精神世界の描かれ方で、どこか学芸会っぽい、チープな造りだったのが印象的でした。

私はどちらかというと夢を覚えている方なのですが、この映画に出てくる、いくつかの張りぼてっぽい精神世界のイメージは、夢で見る光景にすごく似ているなぁと思いました。
一見すると実在する光景なのですが、どこかがちょっとだけ不自然だったり、「変」だったりする感じです。

もう一つ、この映画では、「水」がキーワードとなっています。
スターガーが女性を水槽で溺死させるのは、父親によって池に沈められた過去のトラウマが原因のように描かれています。
また、キャサリンが子ども時代のスターガーを水の中に葬ってやる場面もあります。


「水」は人間の無意識を象徴するものだと言われています。
夢診断でも、海は無意識の象徴ですよね。
実は、ウェイト=スミス版のタロットカードに描かれている水も、無意識を象徴しています。
例えば、大アルカナの「女司祭」では、ヴェールの隙間から海がのぞいており、女司祭のガウンの裾は水と化しているように描かれています。

 


「女司祭」は、普段認識していない自分、つまり無意識の世界を垣間見ることを意味します。
「ザ・セル」は、キャサリンが患者の無意識に入り込んで、いかに患者を癒し、救済するかを描いており、そういった意味においても、「水」はこの映画の大切なモチーフのように思えました。

ところで、スターガーのような殺人犯の精神世界に入り込むなんて、想像しただけでも身の毛がよだちます。
キャサリンが果敢にもそこへ踏み込んでいったのは、お金や名誉のためではなく、人を救いたいという純粋な思いからでした。
これは、タロットカードで言えば、「司祭」にあたります。

 


いわゆる崇高な志に根差した行動というわけです。
しかし、キャサリンも、いくら自分の信念を全うするためとはいえ、まさかこんな段違いの恐怖に直面することになるとは、夢にも思わなかったんじゃないでしょうか。

 

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