本「樹海考」とタロットカード | さざ波スワン ~タロットと旅する~

さざ波スワン ~タロットと旅する~

タロットの話題を中心に、音楽、映画、本、アートなど、様々なことをおしゃべりします。毎週日曜の夜8時にワンクリック占いを投稿しますので、ぜひお試しください。

 

村田らむさんというルポライターをご存じですか。

新興宗教団体や精神病院、ホームレス、ゴミ屋敷清掃など、自らが体を張って潜入取材をされる方です。
かなり危ない目にも遭っておられ、潜入取材のために精神病院に入院した時は、自力ではそこを出ることができなくなり、強面のお父様に力ずくで連れ出してもらったという逸話も持っていらっしゃいます。

そんならむさんを惹きつけてやまないのが、青木ヶ原樹海です。
「樹海考」という本を出版されていて、本の帯には「20年間で100回以上現場を訪れる第一人者がその真実に迫る」と書かれてあります。

青木ヶ原樹海と聞くと、磁石が効かなくなるとか、〇〇の名所とか、ちょっと怖いイメージをお持ちになる方もいらっしゃるかもしれません。
そういった偏ったイメージを正すことも一つの使命であるかのように、「樹海考」ではまず、青木ヶ原樹海がれっきとした観光地であることが紹介されています。
洞窟巡りや、周辺グルメ、樹海への行き方や探索時の必需品など、観光ガイドよろしく、基本情報がコンパクトに詰め込まれています。

そして、本編というか、本の中盤では、なかなかシビアで、コアで、グロテスクな話が繰り広げられます。
例えば、〇〇愛好家と樹海へ探索に行った際、この愛好家が〇〇を見つけると、にわかに食欲をかき立てられ、〇〇を見物しながら、むしゃむしゃと焼きそばパンを食べるのを見て、樹海で一番怖いのはこの人だと思った話。
雑誌の取材で、元〇し屋と樹海へ行き、どうやって〇〇するのか、らむさんが〇される役を疑似体験させられ、なかば本気で首を絞められた話。
そして、この元〇し屋が一番怖がっているものが、なんと「霊」だということなど。

この他にも、なかなか普通には知ることのできない、ちょっと寒気のする樹海話がいくつもつづられています。
ただ、こんな過激な内容であるにもかかわらず、らむさんの文章に一貫しているのは、「客観的な視点」です。
それが村田らむさんが「ルポライター」である所以なのかもしれませんが、とにかく、らむさん自身の感想をつづった部分でさえも、妙に醒めた目線を感じ取らずにはいられません。
もちろん、らむさんに人間的な感情が欠けているわけではありません。
むしろ、取材対象の選び方や、その肝の座った取材スタイルを見てみれば、らむさんの中に確実に怒りの青い炎が燃えていることが想像できます。

ウェイト=スミス版タロットの「正義」は、客観的な視点でもって、正しい判断を下すことを意味するカードです。

 


カードに描かれた人物が天秤を持っているのは、そこに物を載せて、公平さを量るためです。
公平さというのは、相手と自分の間の合意点を見つけることでもあります。
「樹海考」の中では、たとえ〇〇愛好家が倫理的にはどうかと思われる行動を取っていても、らむさんが熱くなってそれを糾弾することはありません。
おそらく、らむさんはその行為自体は理解できなくとも、そういった行為をせざるを得ないその人の人生の在り様というものは尊重すべきだと考えているように思えます。
つまり、相手と自分が異なる考えを持っていたとしても、ただ一方的に自分の正しさを主張するだけでは、埒が明かないことを悟っているように思えるのです。
そもそも、この世には絶対的な正義なんていうものは存在しないのだという考えが、そこにはあるような気がします。


タロットカードの「正義」とは、まさにそういう意味での「正義」なのです。

 

さざ波スワンのタロット占いはこちらから

SNS相互フォローの方には特典ありです。

ご依頼時にSNSとそこでお使いのお名前をお教えください。

 

 

メッセージを受け取れるお気軽なメニューもあります