モデルで女優、イラストも文章も書ける、菊池亜希子ちゃんが好きです。

年は私の一つ下かな。

 

知ったきっかけは・・・なんだっただろう、「みちくさ」というお散歩本だったかな。

 

ゆるりと肩の力の抜けた可愛らしい絵で見開き2ページ、自分で歩いて取材した街を紹介する連載をまとめた「みちくさ」。

 

 

 

彼女が紡ぎ出す言葉は、なんでもないのに、なんかいい。

 

肩の力が入りすぎず、等身大で、ささやかなものごとに気づける感性があり、

ほどよいバランスの自意識を持っている。

いつでもフラットで、こちらがどんな気持ちの時にもすっと読める。

 

とくに1人で過ごす夜更けや、旅の道中や、喫茶店でのひとときに最高にあう。

 

自分が好きなものごとを集めた小さな世界を、大事に育てようという気持ちが湧いてくる。

 

 

 

 

彼女が紡ぎ出す絵も、すごくいい。

 

さくらももこみたいな、人間や動物の肩がまるくて細い線で、落書きみたいなのに

真似ができない。どうぶつも、まちも、おじさんも、思いつきで書いたようなスピード感もあるのに、輪郭線がぴったりとはまっている。

 

なにを描いても柔らかくて、やさしいのにきりっと独立していて、かわいらしさもかわいらしすぎずに絶妙なあんばい。

 

なにかの本で、しろくまを刺繍してる写真を見かけた。

 

その繊細な線のイラストが現実的に刺繍糸でつむぎだされて、しろくまの毛並みも立体的になり、そこで命を灯したみたいに佇んでいてなお素敵だった。

 

 

 

彼女が着る服も、来ているシチュエーションと表情も、やっぱりいい。

 

「おしゃれのはなし。」という本は、時がすぎてもぜんぜん色褪せない。

マスからのモテを意識した女性らしさや、流行とは一線を引いているせいだろうか。

当時私も20代後半になり、これからのおしゃれはどうしよう?

いままでの服では、シルエットや色合いが似合わないものが出てきて、

でもおしゃれは好きだからあきらめたくなくて、

 

おきにいりのお店を年齢的に卒業してしまい、そのつぎにぴたっとくるお店が見つけられなかった時期に、菊池亜希子ちゃんの世界は、ああこういうの素敵、かわいいな、お洋服を愛している気持ちが伝わってくるな、私もこういうおしゃれなら、ずっとこの先も楽しめるな、と思わせてくれた。

 

 

 

自身が編集長を務め、10号まで発売されている「マッシュ」も、とても好きだ。

 

ポーランドの旅にまつわる写真やエッセイも、「かける」「男子」など、その号のテーマにあわせたいろんな企画も、そこから知ったキーワードも私の世界を少しずつ広げてわくわくした気分を持ってきてくれる。

 

 

そんな彼女は近年、結婚してお子さんを出産されたようで。

 

私も少し前に結婚、出産したので、おなじライフイベントをおなじ時代に経験した彼女がこれからどんなふうに発信を続けていくのか、自身の世界をどんなふうに描いていくのかに、とても興味があります。