その時、西丘さんが見た事も無いような悲しそうな顔をした。



俺は申し訳ない気持ちでいっぱいになって、ますます何も言えず、下を向いてしまった。



『ゆーきに手を出すなって言ってるのに、手を出した私も同罪だね、ごめん。』



『いやっ、俺が悪いんです!!我慢できなくって。それに全然痛くなかった。ただ驚いただけなんです。』




そんな事が有ってから、俺はますます西丘さんの言動や一挙手一投足を気にするようになっていた。



だけど、西丘さんは、まったく変わらない。



関西工場の新人研修の講師として西丘さんが2週間も出張する事になり、俺は正直凹んだのだが、西丘さんはうきうきと楽しそうに『関西かぁ、何、食べようかな?折角だから、休みの日は、どこか探検しに行ってみるかなぁ?』と仕事だと言うのにガイドブックを楽しそうにめくり、関西出張を満喫するつもりらしい。



もちろん、研修用のテキスト作りもしっかりやっていて、俺は資料集めと大量のコピーを担当した。



ここでは、一番の下っ端だからね。



もくもくとコピーし、山のようなテキスト作りをしていると、部長がにこにこと近寄ってきた。



『結城君、頑張ってるねー。そんな君にご褒美!!荷物持ちに任命するよ。良かったねぇ、西丘さんと出張!!あっ、でも、ホテルの部屋は別だからね。』と突然言われ、わたわたする。



いや、嬉しくないわけじゃないけど・・・・。



部長には俺の気持ちが丸見えなのかと思うと、焦る。