リンダ、いや、林田さんが配属され、俺達の部署は、以前より、どことなく殺気だった雰囲気に変わった気がした。



林田さんが、今までのやり方に、軒並みけちをつけるものだから、ベテランの技術者達のご機嫌を損ねてしまったのだ。



確かに、古いやり方には効率の悪い物も有り、それについては、西丘さんも少しずつ変えようとしていた。



職人気質の年配の技術者達の気持ちを少しずつ柔らかくしていくやり方だから、確かに、時間はかかっていたが、でも、着実に良い方向に向かっていたと感じていただけに、俺も林田さんへの不満が日に日に高まっていったのだ。



ある日、とうとう、些細な事で、林田さんと俺は、激しい言い争いになってしまった。



西丘さんが、必死に止めるのも聞かず、思わず林田さんに殴りかかりそうになった俺を西丘さんが
『ゆーき、いい加減にしなさい。』と、平手打ちした。



一瞬にして、現場は静まり返り、西丘さんは茫然と立ち尽くしていた。



俺はいたたまれず、その場を飛び出した。



悪いのは、確かに、俺だけど、西丘さんが俺だけを打った事に、少しショックを受けたんだ。