チャボのひな
チャボのひなを飼っていました。
地方から手土産として持ってきてくれたのです。
まだ蒸気機関車を見かける時代でした。
子どもが喜ぶと知っていて。
鶏の雛と違い、キック力のある癇癪持ちでした。
空を飛ばしてやろうと
少しづつ掌に載せて飛ぶ真似をさせると、
その内,、掌に目がけて部屋の中まで、トコトコつけて来るようになりました。
飛びあがります。チャボの習性だそうです。
手のりチャボになりました。
チャボの足が温かくなると、腕の中でコックリコックリ居眠りします。
何の夢を見ているのか・・・
チョビッとしか空を飛べない、森の住民になりました。
まだ森の中で生きているような気持ちになります。
短稿でした。