スピリチュアルについて話す人は、脆弱な精神の持ち主と誤解される方が多いですね。
不思議な体験は、深いところの意識を鍛えてきます。
これは、友人のお話しです。
彼への依頼は、唐突のものでした。
強気で、怖れ知らずと思われた若い男性の依頼者が、怪奇な現象の一つで震えあがりました。
彼には霊能力と称するものがあるそうですが、どんなに霊現象のことで依頼されても応じませんでした。
医者でいえば「見立てだけで治療できない半端医者」と断っていました。
しかし特別の事情で、赤子のいる若夫婦の老母から頼まれて動いたそうです。
彼を老母は、子供のときから知っていて可愛がってくれた人です。
そして、彼の子供の頃からの不思議な能力を知る人物でした。
彼も無碍には断れず引き受けたのです。
彼が出向いた若夫婦の部屋は、引っ越したばかりのアパートの一階でした。
部屋に入ると、母親が頼んだ「霊媒師」の御札が鴨居に貼ってありました。
娘婿に引っ越しを勧めたが、会社が近くて、家賃も安いので応じません。
(若い強気な男性は、霊のことを信じません)
彼はその部屋の気になる何点かを視て心に留めます。(彼の方法です)
その夜、寝床を用意してもらい彼はひとり部屋に残りました。
その夜のことは、いま思い出しても腕に鳥肌が立ち、顔も引き攣ります。
彼は夢の中で、3人の亡者が、お棺の中の「ちいさな物」を貪っているのが見えたそうです。
そのさまを見た彼は、供養を念じながら夢から抜け出そうとしたとき、異変を感じました。
身体が動きません。非常に強い金縛りです。
彼はこれを解く法を知っていますが、夢から抜け出すために力を使いはたしていました。
その時、頭の傍を女が歩いています。亡者です。
彼は、意識をそちらに向けて金縛りを少しづつ解いていきました。
こちらの気配に気がついた女は、彼の眼の端へ隠れるようにして避けます。
彼の視線を遁れて障子の向こうの台所に潜んでいます。
凄まじい「憎悪の念」が彼に伝わったそうです。
彼は息を整え、面を上げて一気に、台所に駆け込みました。
一瞬、床面は血の海です。
だが、それは一瞬にして女と共に消えました。
彼は夜明けまでこわごわ御供養したそうです。(自信がないのです)
朝、若夫婦に顛末を大家さんに話し、ここを引き払うと言いなさいとアドバイスしました。(自分も逃げ出したかったそうです)
半信半疑の若夫婦は、大家さんの家に行く前に近くのお店のおばさんに、アパートの噂を聞いたそうです。
あっさりと噂を教えてくれました。
「あそこで女のひとが殺されて・・・その後に入ったひとも、赤ちゃんを餓死させたのよ」
「そして・・・あそこに入ると夫婦別れするんょ」
その事情を聴いた若夫婦は、真っ青になりながら、大家さんに談判するべく行ったそうです。
其のころでも契約書に「重要事項」の告知義務が大家さんにあります。
大家さんの様子は、ほとんど何も言えない状態でした。
やっと・・・「台所の床で血だらけで死んでいました」と白状しました。
後に老母から、その話しを聞いた彼には、
*気配を隠し潜む亡者の霊がいるとは思いもよらぬことでした。
その後の彼は、寺院を巡って「悪夢の浄化」をお釈迦様にお願いしたそうです。
正気を保つために。
ハッピーライフを求めて・・・
*もの凄い怨念と強い気が、長年放置されて増幅したのでしょうか?
この話は、一部プライバシー保護のため、変えてあります。
ご容赦ください。