どうにも忙しく、中々更新が出来ずにいます。
朝晩は涼しくなってきましたが、まだまだ暑いです。


今日は、写真も無しで、定位について書いてみたいと思います。


音楽ではまだまだ2チャンネルのステレオが一般的ですが、それでは2本のスピーカーで立体感を
出すにはどうしたら良いのか、という事を書いて行きます。

5.1チャンネルや7.1チャンネルですと、どこに配置するかで前後左右が分かり易いかと思いますが、
なぜ2本のスピーカーだけで立体感を出せるのか疑問に思った事は無いでしょうか。

ミックスにおいて行う事は、音量バランスだけでなく、音の前後、左右、上下を考え、各楽器を
定位させて行かねばなりません。

そこでまず左右からですが、これはもうご存知だとは思いますが、PANで左右に振ります。
これはどんなDAWソフトでも、通常ついているので、右に回したり左に回してみてください。

最近ですと、スピーカーのさらに外側から聴こえてくる様な特殊なプラグインエフェクターも
出ているので、そういった物を使うのも面白いかもしれません。

次に上下を見てみたいと思います。
音の上下、これはEQとリバーブ等を使って行います。
どういう事かと言うと、上から聴こえるのは高域、下から聴こえるのは低域、という特性を
利用します。
音を上からにしたい場合、例えばストリングスにリバーブを掛けた場合、リバーブ成分だけをEQで高域をブースト、或は低域をカットする方向で調整します。
こういった事は、エフェクト成分だけでなく、素材に直接EQしても違いに気付くかと思います。

最後に音の前後です。
これは簡単な所だと、音量の大小で調整します。大きな音は前へ、といった具合です。
その他の方法としては、コンプを使った奥行きの出し方等もあります。
例えば、ドラムを奥の方へ置きたいと言ったときは、ドラムへコンプを掛けます。
レシオの値を大きく、スレッショルドも深めに掛けます。こうすると、音が小さくこもった様な感じになります。その上で、アウトプットのゲインを上げて行くと、奥まった感じのままドラムが聴こえてくる様になります。
あるいは素材を前に出したい場合、トリッキーな感じですが、1つの素材をコピーして左右に分けて貼付け、片方の素材だけを逆相にします。(DAWですと大体位相反転スイッチがどこかしらに付いています)
こういった処理を行うエフェクターなども出ているので、変わった効果を狙うには効果的かも
しれません。


と言った具合に、ミックスではパートが増える度に定位に困る物ですが、上手く置いてあげて
互いが干渉しない様にしてあげると聴き易くなります。

また、これまでの説明をとは真逆ですが、三点定位という手法があり、
基本は、センターと左右の三点に振り分けるというシンプルなミックス方法もあります。
シェフのオムレツではありませんが、三点定位は基本でありながら難しいテクニックなので
シンプルに三点定位から始めるのも良いかもしれません。

しかし、現在ではDAWで簡単に色々と試せるので、自分なりの音の配置を考えて頂ければと
思います。

次がいつになるか分かりませんが、
それではまた。