日本もそうですが、ドイツでも、音大や音楽院では、先生方が長くいらっしゃって、ポストが中々空きません。
私の世代って本当にペヒ(ついてない)
私の母校、ハンブルク音楽院もそうで、併設する音楽教室の先生の募集はあっても、私が学んだアカデミーのピアノ科講師の募集は長くありませんでした。
が、しかし、
この夏、ピアノ科講師の募集が出ました。
空きは一つ。。
そして、試験内容が
演奏の実技試験
二人の生徒さんの公開レッスン
初見試奏と同時に即興アレンジ
面談
という事がわかりましたが、試験までは一ヶ月。
急すぎんか!?
ま、それも書類審査に通過して、試験への招待を貰わないと試験は受けられないのですが。。
とにかく、時間がなかったので、今迄、試験や大事な時に弾いてきた大切な作品達、バッハの平均律クラヴィーア曲集から1曲と、ショパンのバラード4番を選択。
この2曲はいつも安心して弾けるし、いい結果を導いてくれてきた、私にとってお守りの様な曲。
丁度夏休みだったので、籠もって練習しました。
初見試奏は、何がくるかわからないから練習のしようもないし、公開レッスンも、いつものレッスン以上の事はできない。
ただ試験結果が、良くても悪くても、笑いを取らなかったら私にとっては負け。(←勝負の観点がズレてる関西人。。。)
なんか面白いネタはないか、そして他の観点から学べる事はないかと、Youtubeで色々な国の先生のレッスンも見ました。
そして、オンラインで楽曲分析を勉強し直したり、一ヶ月、頑張りました。
そんな中、私にとって一番難関だったのは面談。
相手はドイツ人
沢山の、そしてややこしい質問が来るのは目に見えている。
恩師を訪ねると、私みたいに遠慮深かったら、ドイツでいい仕事は掴めない!と激怒されるし、くまちゃん(旦那)にお家で面談の練習をしてもらったけど、ダメ出しだらけ。
大分ドイツ人化が進んでいると思っていた私ですが、やっぱりまだまだ腰の低い日本人の様です。
私はこ〜んな事も、あ〜んな事もできますよ。
私を取らないとあなた達損しますよ!
ってな対等目線の方がいいらしい。
日本的な感覚は忘れたくないのだけど、、、ドイツで仕事をするには、たまにその日本人的な感覚が邪魔になる。。。いつも悩むところです。
結局、書類審査の結果が来なかったから落ちたと思って遊んでいたら、デュオのパートナーが(彼は随分昔から講師として働いてます)
結果が送られてくるのは多分ギリギリだよ。まだわからないよ
と
そして、本当に試験の数日前に書類審査に通過したと連絡がありました😅
最終選考に残ったのはポーランド人、ロシア人、そしてもう一人日本人の方、そして私の四名。
そして試験当日。
会場に行くと、審査員が10人以上いて
うう、、、こんなにいるのん、、、
と涙目になりましたが、楽しんで面談迄は😅こなせました。
そして、私の鬼門、面談。
くまちゃんが考えてくれた質問がかぶる事は全くなく、専門的な質問の嵐。
どんどん質問が来て、めまいがしそうでした。
なんか千本ノックみたいに、取り敢えず、球を拾え!みたいな感覚で、来た質問に(合ってようが間違っていようが)即答を心がけました。
そして、やりきった後の感想は
完全に落ちたな。。。
でした。。。
しかし、、、、
合格しました。
審査員が全員一致で、私を採用と決定してくれた様です。
今回を逃すと次はいつあるねん?
という貴重な試験に受かる事ができてホッとしています。
音楽院を卒業して丁度10年の節目に講師として戻って来る事ができました。
世界から集ってくる音楽家の卵の皆さんの応援をできる限りさせて頂こうと思っていると共に、演奏活動も更に力を入れたいなと思っております。
又宜しくお願い致します。
(写真は義両親からの合格祝いの蘭)