Mendelssohn: Sinfonie Nr. 3 · Paavo Järvi & Tonhalle-Orchester Zürich
Tonhalle-Orchester Zürich Paavo Järvi, Music Director
Felix Mendelssohn Bartholdy (1809–1847)
Sinfonie Nr. 3 a-Moll op. 56 MWV N 18
«Schottische»
00:00 I. Andante con moto – Allegro un poco agitato
16:21 II. Vivace non troppo
20:46 III. Adagio
30:29 IV. Allegro vivacissimo – Allegro maestoso assai
3月3日は日本人にとって「ひな祭り」を思い受べる日です。女の子のお祭りですが、お雛様を飾るのは色々な意味合いがあるようですが、お片付け上手になるようにという意味合いもあるようです。
一方、1842年3月3日はゲバントハウス交響楽団によってメンデルスゾーン自身の指揮により交響曲第3番だ初演された日です。交響曲第3番 イ短調 作品56, MWV N 18が作品に与えられた整理番号です。この曲 は、フェリックス・メンデルスゾーンが1830年から1842年にかけて作曲した交響曲であり、メンデルスゾーンが完成させた最後の交響曲で「スコットランド」の愛称で知られています。
「第3番」という通し番号は出版順につけられた番号で、これより早い時期に作曲された第4番「イタリア」、第5番「宗教改革」の両曲はメンデルスゾーンの死後に出版されています。
「スコットランド」というニックネームは、メンデルスゾーンがこの曲を着想したのが1829年のスコットランド旅行中で、当時メンデルスゾーン自身が家族への手紙の中で「スコットランド交響曲の始まりを見つけた」と欠いていることによるものです。メンデルスゾーン自身は公式には副題付けた訳ではありません。個人的な手紙や後述する献呈先などについて語る際に「この曲とスコットランドのつながり」について書いているからです。
この旅行ばかりではなく、旅をした時には手紙や画板に絵をかいていますが、それは並の腕前ではありません。この時の絵も見たような気がするのですが、探し出すことができませんでした。
スイスのルツェルンに旅をした折の絵
この曲は、ロマン派音楽の交響曲として代表的な作品と言えます。4つの楽章は休みなく連続して演奏されるよう指示されていますが、各楽章は終止によって明確に区切られています。
つまり区切られてこそいないが、続性はあまり感じられないと言うこと、同じく全楽章を連続的に演奏するシューマンの「交響曲第4番」とは異なって、交響曲全体の統一性や連結を強く意図したものではないということです。初演は、冒頭に書いた通りですが、同年5月に7度目のイギリス訪問を果たしたとき、メンデルスゾーンはバッキンガム宮殿でヴィクトリア女王に謁見し、この曲を女王に献呈する許可を得て、献辞付きの楽譜は翌1843年に出版されています。
<楽曲の構成>
- 第1楽章 アンダンテ・コン・モート - アレグロ・ウン・ポコ・アジタート
- イ短調 - イ短調、4分の3拍子 - 8分の6拍子、序奏付きのソナタ形式(提示部リピート指定あり)。
- 序奏部は幻想的かつ悲劇的な旋律で始まる。旋律の初め、属音から主音に4度跳躍して順次上行する4音からなる音型は、各楽章の主題と関連があり、全曲の基本動機的な役割を果たしている。序奏部はかなり長く、物語るように発展するが、やがて始めの旋律に戻り、主部に入る。
- 主部は弦楽器とクラリネットが弱音で第1主題を提示する。主題は序奏動機に基づき、繰り返しながら急激に盛り上がる。ホ短調の第2主題はクラリネットで奏されるが、弦楽器による第1主題の動機が絡んでいるために、あまり目立たない。小結尾では弦楽器に詠嘆的な旋律が現れる。提示部が終わり、展開部は弦楽器による長く延ばした響きで開始され、各主題を扱う。再現部は短縮されている。コーダは展開部と同じように始まり、すぐに激しく興奮するが、やがて序奏部の主題が戻ってきて静かに楽章を締めくくる。
- 第2楽章 ヴィヴァーチェ・ノン・トロッポ
- 第3楽章 アダージョ
第4楽章 アレグロ・ヴィヴァチッシモ - アレグロ・マエストーソ・アッサイ
- イ短調 - イ長調、2分の2拍子(アラ・ブレーヴェ) - 8分の6拍子、ソナタ形式に後奏がつく
- 低弦が激しくリズムを刻み、ヴァイオリンが広い音域を上下する第1主題を示す。ホ短調の第2主題は木管楽器で出されるが、弦楽器によるハ長調の勇壮な対句を伴っている。この主題も第1楽章の序奏主題と関連がある。展開部では、第1主題と経過句の動機が主に扱われる。再現部は短縮され、コーダに入ると、第1主題に基づいて激しく高まるが、波が引くように静まって、第2主題が寂しげに奏され、いったん全休止となる。テンポを落として8分の6拍子になり、低弦が新しい旋律をイ長調で大きく歌う。これも第1楽章の序奏主題の動機が組み込まれている。この新しい主題によって壮大に高まり、全曲を明るく結ぶ。
※ 今日のミュージックダイヤリー
1875年3月3日 - オペラ『カルメン』がパリのオペラ=コミック座で初演。
1706年3月3日 - ヨハン・パッヘルベル没、作曲家(* 1653年)
1768年3月3日 - ニコラ・ポルポラ没、作曲家(* 1686年)
1824年3月3日 - ジョヴァンニ・バッティスタ・ヴィオッティ没、作曲家、ヴァイオリニスト(* 1755年)
1833年3月3日 - ハインリッヒ・ヴェルナー没、音楽教師 (* 1800年)
ミニチュア・スコア
イ短調 作品56
メンデルスゾーン 作曲/星野宏美 解説
メンデルスゾーン:交響曲第3番「スコットランド」、第4番「イタリア」(マドリード響/マーク)
MENDELSSOHN, Felix: Symphonies Nos. 3, "Scottish" and 4, "Italian" (Madrid Symphony, Maag)
- マドリード交響楽団 - Madrid Symphony Orchestra
- ペーター・マーク - Peter Maag (指揮)