フルートの出番です ブロッホ「フルートとヴィオラとピアノのためのコンチェルティーノ」 | 翡翠の千夜千曲

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Bloch - Concertino for Flute, Viola and Piano

Ernest Bloch (1880-1959) 

Concertino for Flute, Viola and Piano 

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Thursday, April 27, 2017

 

 

 ブロッホと言えば、ヴァイオリンコンチェルトを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。確か、10数年前所沢のミューズで聞いたと記憶しているのですが、その時のオケがどこだったか思い出せません。五嶋みどりさんには本当に申し訳ないのですが、彼女の調子が悪かったのか私の耳が馬鹿なのか判りませんが、「なんでこんな曲を書いたのだろう」と唖然とした記憶があります。

 エルネスト・ブロッホ(Ernest Bloch, 1880年7月24日 - 1959年7月15日)はスイス出身のユダヤ人作曲家で音楽教師です。
 ジュネーヴに生まれ、ブリュッセル音楽院でウジェーヌ・イザイほかに師事。その後フランクフルト・ホーホ音楽学校で学んでいます。1924年に合衆国市民権を取得します。教育者として信望が厚く、アメリカ各地の音楽学校から召喚の声がありました。

 1920年12月に、新設されたばかりのクリーブランド音楽学校の首席音楽監督に就任、1925年まで務めています。その後、1930年代はほとんどスイスに帰省していたが、後にアメリカに戻った。オレゴン州ポートランドにて永眠。
 作品は、新ドイツ楽派のリヒャルト・シュトラウスや、フランス印象主義音楽のドビュッシーの両方からの影響を示しています。最も有名な作品を含む成熟期の作品は、しばしばユダヤ教の典礼音楽や、ユダヤ人の民俗音楽を依り拠としています。この例が、チェロと管弦楽のための「シェロモSchelomo」や「イスラエル交響曲Israel Symphony」などです。ヨゼフ・シゲティのために作曲されたヴァイオリン協奏曲や、合唱つきの「アメリカ狂詩曲」もこの時期の作品です。

 このコンチェルティーノがどの程度の知名度でどの程度演奏されているかは知りませんが、私自身は平明で分かりやすく、面白く聴きました。特にピアノが気に入って弾いてみたくなりました。今日はフルートの日ですから、当然フルート奏者にもお勧めです。

 

 

 

 

ブロッホ、エルネスト/コンチェルティーノ

Bloch, Ernest CONCERTINO

<解説>

 E.ブロッホはスイス生まれのアメリカの作曲家で、20世紀前半に活躍し、名曲「Suite modale [Fl.Pf/Orch.] (1959)」にもみられるように新古典主義的な多彩な旋法を用いた美しい旋律が魅力です。また現代的な増4度、第3音省略の空4度と空5度、完全4度進行旋律が特徴です。この作品は1948年にジュリアード音楽院の委嘱で作曲され、1950年にニューヨークで初演されました。3楽章構成を骨組みにした単一楽章(三部構成)で書かれ、第1部 Allegro comodo 4/4 は、連打するピアノのリズム(pizz.)上に、フルートとヴィオラが中世風の郷愁を誘う美しい旋律の模倣を繰り返し、またピアノの対旋律を含めて踊り戯れます。第2部 Andante 4/2 は美しい和声が響くパヴァーヌ風旋律がピアノの低音に厳かに流れ、その上にフルートとヴィオラの和声旋律の綾が静かに模倣を重ね流れていきます。第3部 Allegro 4/4 はフーガ楽章で、3連符と8分音符からなる半音階的連続3度動機のフーガ主題が各楽器で模倣されます。そのフーガ主題は躍動感溢れるピアノにより強烈に牽引されます。後半ではフガート旋律の半音階的音階が枝分かれして、激しく半音階動機が炸裂し上昇します。

 

ブロッホ:ヴィオラ作品集(コルテス/ワーヘマンス/ヤルヴィ)

BLOCH, E.: Viola Music - Suite hébraïque / Suite for Viola / Concertino for Flute and Viola (Cortese, Wagemans, Järvi)