Alexander Scriabin - Piano Concerto in F sharp minor, Op. 20
- Composer: Alexander Nikolayevich Scriabin (6 January 1872 -- 27 April 1915)
- Orchestra: Chicago Symphony Orchestra
- Conductor: Pierre Boulez - Soloist: Anatol Ugorski
- Year of recording: 1999 Piano Concerto in F sharp minor, Op. 20, written in 1896. 00:00 - I. Allegro
07:48 - II. Andante
16:30 - III. Allegro moderato
今日は続けて3曲目のピアノ協奏曲です。作曲者はスクリャービンですが、若書きにも関わらず、後のスクリャービンを彷彿とさせる雰囲気を持った作品です。アレクサンドル・ニコラエヴィチ・スクリャービン(Aleksandr Nikolaevich Skryabin, 1872年1月6日 - 1915年4月27日)は、ロシアの作曲家でピアニストです。彼は、神秘主義や独特の和声(4度の積み重ね)で有名で、特にピアノ作品、中でもソナタが特に知られています・
幼児期からピアノを始め、10歳で自ら望んで陸軍兵学校に進みますが、小柄で虚弱なことと学業が優秀なこと、そして楽才が顕著なことから、特別にモスクワ音楽院への通学が認められ、14歳から院長セルゲイ・タネーエフに作曲と音楽理論を、ニコライ・ズヴェーレフにピアノを師事しました。
即興演奏が好きな少年でしたが、この頃から作曲したものを五線譜に書き残すようになりました。1888年から周囲の勧めで、モスクワ音楽院に転学、ピアノ科でワシーリー・サフォーノフに、作曲科でアントン・アレンスキーに師事しています。同級生にセルゲイ・ラフマニノフがいました。気難しく扱いにくい性格のあったスクリャービンにアレンスキーは相当に困ったと言われています。結局スクリャービンは作曲科を修了することが出来ず、ピアノ科で単位を取得しました。このころ作曲家としてはラフマニノフが、ピアニストとしてはスクリャービンが有望視されていましたが、ピアノ卒業試験においては、ラフマニノフが1位、スクリャービンが2位でした。
手の大きかったラフマニノフに比べ、10度音程が掴めない程度の手の持ち主だったにもかかわらず、学生時代の同級生ヨゼフ・レヴィーンらと、超絶技巧の難曲の制覇数をめぐって熾烈な競争を無理に続け、ついに右手首を故障してしまいます。回復するまでの間に、左手を特訓するとともに、ピアニストとしての挫折感から作曲にも力を注ぐようになります。
さて、この作品はスクリャービンの唯一の真の協奏曲であり、オーケストラを使用した彼の最初の作品でした。わずか23歳で、コンサートで彼の能力を披露するためにピアノ協奏曲を必要としていたスクリャービンですが、まだショパンのピアノスタイルを慣用句的に使用していました。オーケストレーションまで似かよっていましたが、ショパンよりもはるかに活発でパートナーのような役割を果たします。スクリャービンは1897年の秋にわずか数日で協奏曲を完成させましたが、翌年1911月までオーケストレーションを完成できず、1915年10月23日まで作品を初演しませんでした。
冒頭のアレグロは、ラフマニノフのような極端な感情には行きませんが、非常に対照的なムードと緊張の瞬間を含み、一般的に暗い気質で要約なしで終わります。中間楽章は詩的なアンダンテと4つの短い変奏曲で、長調でありながらノスタルジックな雰囲気を醸し出しています。ミュートされた弦は最初にテーマを述べ、次に繊細で織り交ぜられたピアノ伴奏でクラリネットに切り替わります。次の変奏曲はピアノのスケルツォのようなものです。次に、暗いバリエーションは主に左手と低音域に移動します。第4変奏はテーマをオーケストラに反転させ、コーダの前の遅いカデンツァを含んだ、より繊細な構造を持っています。
最後のアレグロ・モデラートはソナタ・ロンド形式であり、他の楽章よりも強烈な表現力がある。そのメインテーマは、キーボードのハイエンドまで飛ぶ急上昇するアルペジオを特徴としていますが、叙情的な二次主題は記憶に残るものです。ピアノパートは複雑なアルペジオやポリリズムが多く用いられ、恍惚とした感情的な集大成を表す拡張コーダで終わり、オーケストラはにコーダで嬰ヘ長調に転調して華々しいクライマックスが形成されて締めくくられます。
最後に、ピアノ少女遠藤紗和さん頑張れ!ハノン疲れますなあ。分かる分かる!
※ 参考資料 ウィキペディア スクリャービンの音楽
※ 演奏会のご案内
○ ベートーヴェン ピアノとヴァイオリンの為のソナタ全曲演奏会
○ 藝大スペシャルオーケストラ 藝祭2023年 9月1・2・3日
Scriabin, Alexander / スクリャービンCONCERTO OP.20
ピアノ協奏曲 嬰ヘ短調 作品20 (第2ピアノ付きピアノリダクション)
スクリャービン:交響曲第4番・第5番、ピアノ協奏曲 (SHM-CD)
ピエール・ブーレーズ (アーティスト), アレクサンドル・スクリャービン