Alexander Tansman (1897-1986) - Flute Sonatina (1925)
#1. Moderé - 00:00
#2. Intermezzo - 2:40
#3. Scherzo: Foxtrot - 4:06
#4. Notturno - 6:19
#5. Finale - 9:29
Thies Roorda (Flute)
これはどう見たってフランスの音楽だろう、そう思われるのは無理からぬことですが、当の本人は「…私が過去から未来に至るまで、いつまでもポーランドの作曲家であるということを疑うことはできないでしょう」と言っています。
アレクサンデル・タンスマン(Aleksander Tansman, 後にAlexandre Tansman, 1897年6月11日 ウッチ – 1986年11月15日 パリ)はポーランド出身のフランスの作曲家でピアニストです。ユダヤ系。もっぱら新古典主義音楽の作曲様式によっています。近代フランス音楽に加えて、ポーランドやユダヤの民族音楽の要素も取り入れた作品があります。
三上さんの記事にもある通り、6人組との付き合いもあり、考え方や進歩的な姿勢には賛同していましたが、自分は自分独自に道を進むことを告げています。3楽章の音などを聞けばジャズの響きなどにも興味を持っていたことが伺えます。Notturnoでは梵鐘のようにも聞こえてきますし、フィナーレを交えてオリエンタルなムードもあります。詳細は、三上さんの記事に譲りましょう。
ちなみに、本人がマズルカを自作自演をしている動画がありますので、「Mazurka nº 3」を掲載しておきます。ユダヤ人であったことから、一時期アメリカに亡命していたこともあり、やや異端児扱いも受けていたようですから、作品の掘り起こしや研究はあまり進んでいないようです。ギターの曲も多いのでそのうちご紹介いたします。
※ 以前の記事
○ ホルンの出番です285 タンスマン「魔法使い(魔女)の踊り」
※ 演奏会のご案内
○ ベートーヴェン ピアノとヴァイオリンの為のソナタ全曲演奏会
○ 藝大スペシャルオーケストラ 藝祭2023年 9月1・2・3日
Mazurka nº 3 (Suite pour les Enfants). A.Tansman
Tansman, Alexandre SONATINE
<解説>
ポーランド生まれのタンスマンは、1919年にパリに移り、パリの作曲家とすぐに親しくなりピアニスト、作曲家、指揮者として活躍を始めました。ルーセル、ラヴェルそしてミヨー、オネゲルら6人組との付き合いから、彼の作風は、初期のショパンの影響の強かった頃から大きく変化しました。彼は主にパリに定住していましたが、第二次世界大戦中はアメリカでストラヴィンスキーの補佐を務め、映画音楽にたずさわったり、コンサートを開いたりしました。作品としては、オペラ、バレー作品、7つの交響曲、特にギター曲が有名です。「ソナチネ」(1925)は、タンスマンの若きパリ生活をうかがわせるフレッシュな作品です。ルイ・フルーリーのフルートと作曲家自身のピアノにより初演されましたが、精気あふれるものだったと想像されます。I.Modere開放的で快活な音楽。II.Intermezzo間奏曲。III.Scherzo当時のパリではアメリカのポピュラー音楽からの影響がとても強かったことがこの楽章を通して伝わります。IV.Notturnoフルート・ソロで始まる印象的な楽章。V.Finale(Allegro grazioso)シンプルに作られた楽章。郷愁を誘うような終わり方です。(解説/三上明子)
デュボワ/ゴーベール/フォーレ/タンスマン/プーランク/サンカン/ドビュッシー:フルート・リサイタル(カーナー)
Flute Recital: Khaner, Jeffrey - DUBOIS, P. / GAUBERT / FAURÉ, G. / TANSMAN / POULENC / SANCAN / DEBUSSY