William Croft - Ground in C minor Apolline Khou, harpsichord
William Croft (1678-1727) - Suite in c
William Croft (1678-1727): Organ Voluntary in D Minor
Funeral Sentences/Burial Service by William Croft
2. WILLIAM CROFT - 2: Violin Sonata in b minor
お盆と言うことで、帰省されておられる方もおられると思います。私も、何とはなしに故郷の光景を想い出したりしております。
今日は、少し古い時代のイギリスの音楽、ウィリアム・クロフトの幾つかの作品を聴いて見ます。私たちにはあまり縁のない名前かも知れませんが、イギリスの方には耳覚え(?)のある曲が幾つかあるのではないでしょうか。クロフトの作品の幾つかは、以前は同時代を生きたヘンリー・パーセルの作品であると言われていました。最初の動画の曲の楽譜を下に示してありますが、楽譜にはHenry PURCELLの文字が見えます。
ウィリアム・クロフト(William Croft, 1678年12月30日受洗 - 1727年8月14日)は18世紀イングランドの作曲家でオルガニストです。
クロフトはウォリックシャーのネザーエッティントンのマナーハウスで生まれました。彼はジョン・ブローの指導の下、チャペルロイヤルで教育を受け、1698年までそこに留まりました。これから1700年、彼はソーホーの聖アンナ教会のオルガニストになりました。1724年、彼はジェレマイア・クラークの死亡によって空席になっていたチャペルロイヤルの「マスターオブザチルドレン」のポストを引き継ぎました。
1715年、クロフトは「イタリアの巨匠」、ゴットフリートフィンガーと共同で、新しくファッショナブルなイタリア風のバイオリン、フルート、チェンバロ、ヴィオールのためのソナタを出版しています。
彼はアン女王の葬儀(1714年)とジョージ1世の戴冠式(1715年)のための作品を作曲しました。 1724年、クロフトは教会音楽のコレクションであるムジカサクラを出版し、スコアの形で印刷された最初の曲集です。それ以来、英国の国葬で使用されています。先に行われた、エリザベス女王の葬儀にもこの曲が使用されていました。(4番目の動画)
3番目の動画ではフランスのオルガンが使用されています。これは、Rozay-en-Brieにあるフランスのバロックオルガンのサンプルセットを使用して、英国のバロックオルガン音楽を演奏するプロジェクトの一部です。イギリスでは、バロック時代の楽器はほとんど残っていません。
現在のイギリスのほとんどのオルガンは、ビクトリア朝時代にさかのぼるか、ビクトリア朝の伝統を表しており、バロック音楽よりもロマン派のレパートリーに適しています。ヨーロッパ大陸では、バロック時代の楽器がさらに多く残っており、バロックオルガン音楽を演奏するために建てられた近代的なオルガンもたくさんあります。しかし、大陸のバロック(またはネオバロック)オルガンでさえ、英国のバロックのレパートリーには適していますが、必ずしも英国のバロックの作曲家が知っていた種類の楽器に近いわけではありません。彼らの音楽は大陸の楽器でうまく演奏することができます。
1640年代と50年代にイギリスのピューリタンがほとんどすべてのイギリスのオルガンを破壊したとき、彼らはダラムやハリス家のようなオルガンビルダーにフランスへの移住を強制しました。1660年に君主制とイングランド国教会が復活したとき、彼らは失われた内部の装置を交換するために戻り、フランスの影響をもたらしました。こうしてフランス生まれのレナトゥス・ハリス(1652-1724)は、ドイツ出身のバーナード・スミス(1630-1708)とともに、当時のイギリスのオルガン製作者として頭角を現したが、ダラム・ハリス一族に代表される楽器の種類にすぐに適応したようです。
このように、音楽においても政治や宗教上の理由によって作られたり、時には破壊されたりすることがあります。私たちの知るところによれば、かつてバーミアンの石造の仏像がイスラムの過激派によって破壊されたことがありますが、このようなことはキリスト教の中にも起きているのです。
さて、今日はイギリスの作曲家ウイリアム・クロフトの作品の幾つかを聴いて見ましたが、ピアノ演奏者やオルガン奏者の皆さん、時折こうした古い時代の作品にも光を当てていただけると幸いです。
※ 演奏会のご案内
○ ベートーヴェン ピアノとヴァイオリンの為のソナタ全曲演奏会
○ 藝大スペシャルオーケストラ 藝祭2023年 9月1・2・3日
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六つのソナタ op. 3 (2A-Bf)
Six Sonatas op. 3
愛のフルートと ~ パーセルと仲間たちによる歌、グラウンド、器楽小品集
ヤン・デフリーヘル 、 レ・グーゾータンティク
【曲目】
パーセル:
フルートのためのシンフォニー(我らはすべての喜びを受け入れる Z.547より)
内気なテムズ河(ヨークシャー祭の歌 Z.333より)
グラウンド ニ短調 Z.D222(この祝祭を祝えZ.321より/ハープシコード・トランスクリプション)
次に冬がゆっくりと来る(妖精の女王 Z.629より/ハープシコード・トランスクリプション)
愛のフルートと(たたえよ, 輝かしきセシリアを Z.328より)
ウィリアム・クロフト:
前奏曲ハ短調(組曲第4番ハ短調より)
グラウンド ハ短調Z.D2221
ジョヴァンニ・バッティスタ・ドラーギ:
静かで悲しげなフルート(Harmony, from Heav'nly Harmonyより)
パーセル:
恋が甘い情熱なら(妖精の女王 Z.629より)
なぜ人は争うのか(インドの女王 Z.630より)
作者不詳:
グランド 《Scocca pur》(The Second Part of Musick's Handmaidより)
パーセル:
トゥー・イン・ワン・アポン・ア・グラウンド
戦争の苦難と危険から(予言者, またはダイオクリージャン Z.627より)
ジョン・ブロウ:
シャコンヌ ト短調 Kl.60
モーレイクのグラウンド Kl.71
パーセル:
ここに神々はよしとし給う(来たれ歓喜よ Z.339&ア・ニュー・グラウンド ホ短調 Z.T682より)
全音階によるグラウンド Z.645(The SecondPart of Musick's Hand-maidより)
ゴットフリート・フィンガー:
ア・グラウンド(エール・アングロワ 第3巻より)
パーセル:
ある魅力的な夜(妖精の女王 Z.629より)
作者不詳:
グリーンスリーヴスによるグラウンド(ザ・ディヴィジョン・フルートより)
ウィリアム・ウィリアムズ:
鳥を模倣したソナタ(3声による6つのソナタより)
パーセル:
ストライク・ザ・ヴァイオル(来たれ, 汝ら芸術家の子ら Z.323より)
聞け!鳥たちの鳴き声を(アテネのタイモン Z.632より)
【演奏】
ヤン・デフリーガー(リコーダー、ハープシコード)
レ・グーゾータンティク