SHOSTAKOVICH: Four Waltzes for Flute, Clarinet, and Piano - ChamberFest Cleveland (2017)
Dmitri Shostakovich Four Waltzes for Flute, Clarinet and Piano; arr. Atovmyan Demarre McGill, flute Franklin Cohen, clarinet Zoltán Fejérvári, piano Performed June 26, 2017 Mixon Hall, Cleveland Institute of Music ChamberFest Cleveland - Season 6
思えばこの人物ほど苦労した作曲家もいないのではないでしょうか。当初、体制に迎合したソ連のプロパガンダ作曲家というレッテルが付きものでしたが、「ショスタコーヴィチの証言」が出版されてからは、ショスタコーヴィチには皮肉や反体制、「自らが求める音楽と体制が求める音楽との乖離に葛藤した悲劇の作曲家」という面も見直されるようになりました。
ドミートリイ・ドミートリエヴィチ・ショスタコーヴィチ
(Dmitri DmitriyevichShostakovich 1906年9月25日 - 1975年8月9日)は、ソビエト連邦時代の作曲家で、交響曲や弦楽四重奏曲が特に知られています。
シベリウス、プロコフィエフと共に、マーラー以降の最大の交響曲作曲家としての評価がほぼ確立され、世界的にも特に交響曲の大家と認知されている。また、弦楽四重奏曲においても秀逸な曲を残し、芸術音楽における20世紀最大の作曲家の一人である。ショスタコーヴィチの音楽には暗く重い雰囲気のものが多いが、その一方でポピュラー音楽も愛し、ジャズ風の軽妙な作品も少なからず残している。
日本では、まだまだ活躍できそうなのに早々と引退を表明した井上道義氏がショスタコービッチの演奏を得意としていました。
ショスタコーヴィチの作品には、J.S.バッハのフーガ、ベートーヴェンの後期弦楽四重奏曲、マーラーの交響曲、ベルクの和声語法や引用法などの影響が見られます。オーケストレーションはあまり楽器の音色を混ぜない原色的な作風を持っています。作品の多くは調性音楽の範囲内に留まるものが多いのですが、無調的な主題によって調性が不安定なうえにリズムが複雑になりとらえようのない作品もあります。十二音技法を彼なりの手法で音列技法やトーンクラスター等の前衛技法を使った作品もあります。戦争や生死などをテーマとした重い作品が多いのですが、交響曲第9番やジャズ組曲のような軽妙な作品も多くあります。言わば守備範囲の広さがあって、その手腕が映画音楽まで生かされています。ただし、純然たる作品が多く、いわゆる劇伴みたいな手法は殆ど取りません。そうした映画音楽は36ほどあります。
この作品「4つのワルツ」は独立した作品ではありますがオムニバスによって構成されています。ショスタコーヴィチの音楽につきまとう小難しいイメージが、一遍に払拭されるような愉しいリズミックな作品たちです。風刺の効いた、茶目っ気たっぷりのメロディは、どこか懐かしく哀愁を感じさせます。
主に「マクシム三部作」と「馬あぶ」それに舞台作品などが組み合わされてできています。「マクシム三部作」の第二部。党の有力活動家となったマクシム(チルコフ)の、第一次世界大戦直前の闘争が描かれる。マクシムは多くの革命家の特徴や経験を基に創作された架空の人物ですが、当時の観客には実在していると信じられ、マクシム宛てのファンレターや相談の手紙が殺到したという話があります。
(CDのレビュウやウィキペディア等からの引用をしています)
作品の詳細は、ムラマツフルートの佐野氏の説明に詳しいので省略します。
Shostakovich, Dmitry VIER WALZER
<解説>
今年は20世紀最大のロシアの作曲家ショスタコーヴィチの生誕100年にあたります。彼は交響曲などの大作で知られていますが、実用的な映画、舞台音楽では意外な一面を覗かせています。ロマンティックな美しい小品『4つのワルツ』は彼の友人アトヴミアンが編曲した作品で、原曲は映画音楽、舞台音楽に基づくものです。近年になって木管楽器小編成の理解が高まると同時に、比較的特殊な組合せとして捉えらがちであったフルートとクラリネットとの二重奏曲が再認識されています。この4曲のワルツの内、第1曲目[Fl.Pf]と2曲目[Cl.Pf]は、それぞれの独奏用に編曲され、第3・4曲が三重奏曲に編曲されています。第3曲[Fl.Cl.Pf.]はG.M.コジンツェフ、Y.トラウベルクの共同監督による映画《マキシムの帰還Op.45(1937)》から引用され編曲されており、気品のある優美なロマンティックな円舞曲です。第4曲[Picc/Fl.Cl.Pf]はE.ヴォイニッチの小説の映画化による《馬のあぶみOp.97(1955)》から採られ編曲された、童謡風の可愛いワルツでピッコロの軽快な響きが印象的です。(解説/佐野悦郎)
プロコフィエフ:フルート・ソナタ Op. 94 /ロバノフ:クラリネット・ソナタ Op. 45 /フルート・ソナタ Op. 38 /ショスタコーヴィチ:4つのワルツ
(アドリヤーン/ブルンナー/ロバノフ/レヴィン)
PROKOFIEV, S.: Flute Sonata, Op. 94 / LOBANOV, V.: Clarinet Sonata, Op. 45 / Flute Sonata, Op. 38 / SHOSTAKOVICH, D.: 4 Waltzes (Lobanov)