Introduction, Theme and Variations, TrV 76
The Romantic Flute ℗ 2017 haenssler CLASSIC Released on: 2017-02-03 Artist: Dorothea Seel Artist: Christoph Hammer Composer: Richard Strauss
冒頭など若書きゆえに多少仰々しい気もしますが、逆に妙に手慣れた作品でないところが私は気に入りました。15歳の作品ですが、同じタイトルでホルンの曲が1年前に書かれています。作品番号のついていない曲だけで323曲ありますが、整理番号(AV)では65になっています。動画には、TrV 76という数字も見えますが、これについては私は詳しくありません。
先月の6月11日に、シュトラウスの記事リヒアルト・シュトラウス「ドンファン」を書いたばかりですので人物等の情報はそちらをご覧ください。
今日は兄の命日で少しばかり立て込んでいて自由が利きません。短い内容でごめんなさい明日以降記事を少し付け加える予定でいます。
Strauss, Richard INTRODUCTION,THEMA & VARIATIONEN (O.OP.56)
<解説>
この曲は、後期ロマン派の作曲家、リヒャルト・シュトラウスの少年の時期の作品です。シュトラウス自身、生前には若い頃の作品の出版や演奏を認めず、存在のみ知られていた作品ですが、近年になって出版の運びになりました。父親がミュンヘン宮廷歌劇場首席ホルン奏者であったシュトラウスは、4歳の時から規則正しいピアノのレッスンを受け、6歳でピアノ曲や歌曲を作曲しました。父親の保守的な傾向を受けて、ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンに傾倒した幼少期でした。両親の意向で、一般的な教養を高めるため、1874~82年、ルートヴィヒ・ギムナジウムに進学したシュトラウスは、1877年、終生の友で後の作曲家、ルートヴィヒ・テュイレに出会いました。1897年、そのテュイレに宛てた手紙に、フルートの友人のために変奏曲を書いたと記しています。たぶん、学校の催しで演奏されたのでしょう。前年に父のために「ホルンのための序奏、主題と変奏曲」を作曲しているので、その延長線上に書かれた曲と言えましょう。G-durの序奏と主題、5つの変奏曲から成ります。後の大作曲家を想像しながら演奏すると、スケールの大きさの片鱗が感じられます。(解説/三上明子)
