アーチボルドのワルツ | 翡翠の千夜千曲

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Waltz "Autumn Dream" (Archibald Joyce)

 

Archibald Joyce - Song of the River,Waltz for Orchestra

 

Old Waltz Remembrance (Archibald Joyce)-Старинный вальс "Воспоминание"

 

 

 

 

 ヒンデミットが「家具の音楽」を書いても存在感がありすぎるのに対し、アーチボルドの音楽は正にイージーリスニング的であり、戦争中であったら退廃的な音楽とでも言われかねないセンチメンタルで物憂い音楽かも知れません。ところで、「シークレット・ガーデン」にもアーチボルドという名の人物が出てきますが、イギリスに多い男性の名前だそうです。太郎とか一郎といった感じなのでしょうか。

 アーチボルド・ジョイス( Archibald Joyce、1873年5月25日 - 1963年3月i22日)は、イギリスの作曲家で、「まともなワルツを書く初の英国人」と言われ、「イギリスのワルツ王」や「イギリスのワルトトイフェル」などのあだ名で呼ばれていたそうです。
 代表作は「秋の夢(ロシア語版)」や「サロメの出現」、「千回のキス」などで、特に「秋の夢」が著名で、この曲はタイタニック号沈没事故の際に船上で演奏されていたとする説があるということです。

 ロシア語版とあるように、演奏もロシアものが多いのですが、どういった関連があるのかは不明です。英語版のウィキペディアには以下のような記事があります。

 ジョイスは「英国で最初のモダンダンスバンド」を指揮したとされています。その名声はヨーロッパとアメリカにまで及んだ。彼は早くも1912年にロンドンのグラモフォンカンパニーHMVレーベルで録音し、1920年代初頭から彼のオーケストラはエオリアンカンパニーのヴォカリオンレコードレーベルのために素材を録音しました。彼のバンドの全盛期は戦前と戦直後でしたが、1920年代を通じて彼自身のアンサンブルで指揮と録音を続け、蓄音機産業が進化するにつれて彼の音楽はダンスメドレーレコードの定番になりました。しかし、ジョイスは、エリック・コーツ、アルバート・ケテルベイ、ハイドン・ウッドなどの同時代の人々を、聴くための軽いコンサート音楽、または放送や図書館音楽の分野にほとんど従わなかった。彼の音楽は主にダンスのために残っていました。彼が作曲したワルツは形式に厳密に固執し、ダンサーによって多くの繰り返しセクションが要求されました。

 父親は、軍楽隊の楽長だったこともあって軍楽隊(吹奏楽)に近しい存在であったこともありマーチなの作品もあります。いずれにしても、当時としてはイギリスばかりではなく著名で、ワルトトイフェルというよりシュトラウス的な存在であったようです。

 

 

Caravan Suite, Etc: Penny / Rte Concert O

Joyce, Archibald (1873-1963) 

ジョイス:
● ドリーミング
● プリンス・オブ・ウェールズの大行進曲
● 秋の歌(秋の夢)
● ポルカ『フルー=フルー』
● 一千回のキス
● キャラバン組曲(砂漠のキャラバン・キャンプ/山賊に襲われたキャラバン・キャンプ/行進中の護衛隊)
● あなたの夢
● アイリス、バレエの舞曲
● 過ぎ行くサロメ
● 音楽喜劇『トト』抜粋
● アクシュラ
● ボヘミア
● ブライトン・ハイク
● 川の歌


 RTEコンサート・オーケストラ
 アンドルー・ペニー(指揮)

 録音時期:1994年1月4,5日
 録音場所:アイルランド、Taney Parish Centre, Dublin
 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
 旧品番:8223694(MARCO POLO)