シャミナード:秋 C.Chaminade Autumn フルート神田勇哉
C・シャミナーデ作曲 6つの演奏会用練習曲より 第2番 秋
何とも爽やかな風が抜けていく秋の空。今日の朝のような曲ではありませんか。原曲はピアノ曲ではないかと思いますが、本人の手によって編曲されたものかどうかは判りません。
前回は「フルートのためのコンチェルティーノ」では、略歴を紹介し損なったので、簡単に記すことにしましょう。
セシル・ルイーズ・ステファニー・シャミナード(Cécile Louise Stéphanie Chaminade, 1857年8月8日 - 1944年4月13日)は、フランスの作曲家でピアニストでした。作品を出版しその印税と演奏活動によって、経済的に自立した最初の女性作曲家といわれています。ピアノ曲「スカーフの踊り」(Pas des écharpes)は世界的に人気を博しました。それを記念して1910年にはイギリスの香水会社によって彼女のプロフィールを付けた石鹸が発売されたといいますから、どちらが抜け目なかったのでしょう。
パリのブルジョワジーの家庭に生まれる。母の手ほどきでピアノを始める。幼年期から作曲を試み、8歳のときいくつかの宗教曲をジョルジュ・ビゼーに演奏して聴かせ、「小さなモーツァルト」と呼ばれて可愛がられた。当時のパリ音楽院の作曲科は女性に対して公式な入学許可を与えていなかったため、個人教授でル・クーペやサヴァール、マルシックにピアノを、バンジャマン・ゴダールに作曲を師事した。しかし、父親は彼女の音楽学習を容認しようとしなかった。
18歳で最初の演奏会を行い、徐々に作曲家としての認知を受けるようになった。1879年に国民音楽協会の正会員に迎えられる。アンブロワーズ・トマは彼女を評して、「作曲する女性というより、女性の作曲家というべきだ」と述べている。
初期には管弦楽曲やピアノ協奏曲のほか、オペラやバレエなども作曲したが、経済的自立を選んでからは《スカーフの踊り》などのピアノ曲や《銀の輪環》や《春が来た》(Ritournelle)などのサロン歌曲を数多く手懸ける。そのほとんどが出版され、経済的にも大きな収入を得た。
戦争を挟んで、晩年はあまり良くなかったようですが、それはまたの機会に致しましょう。技術的にはそれほど難しくありません。演奏会の導入やアンコールピースにも使えます。念のため、人気だったというピアノ曲「スカーフの踊り」(Pas des écharpes)を添えておきます。サロン的な音楽ですね。
Rosario Marciano plays Cécile Chaminade - Pas des écharpes (1888)
| シャミナード、セシル/秋 Chaminade, Cecile AUTUMN (ARR.WYE) ![]() |
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