J.W. Kalliwoda Concertino for flute and oboe
Anna Basharina (flute) Alexandra Simonova (oboe) Ksenia Gavrilova (piano)
今度の台風12号は、ひょっとすると台湾から東シナ海付近にしばらく停滞しそうだという予想もあるらしい。毎年、台風はくるもののちょっと半端ではないタイプのものが増えていて心配になります。
その点、大陸は良いねえなどと思っていたら、パキスタンでは3分の一が水没したというし、ヨーロッパも熱波で森林火災などが起きている。のんびり音楽など聞いている場合ではないと言う人までいます。
今日話題となる人物は、ボヘミアの生まれです。ボヘミアンなどと言うと平和を絵に書いたような響きがしますがホントのところはどうなのでしょう。ボヘミアをチェコ語ではチェヒと呼ぶのだそうです。由来は6世紀頃までに形成されたチェコ人で、意味は「光の土地の人」と言うようです。地理的に言うと、ボヘミアは、現在のチェコの西部から中部地方を指す歴史的地名です。古くはより広くポーランドの南部からチェコの北部にかけての地方までを呼びました。西に接するのはドイツで、東は同じくチェコ領であるモラヴィア、北はポーランド、南はオーストリアに至るのです。この地域では牧畜が盛んです。
一方、ラテン語の「ボヘミア」の呼び名は、古代にボヘミアからモラヴィア、スロバキアにかけての地域に居住していたケルト人の一派に由来し、意味は「戦士の人々」の土地と考えられています。つまり、単一の民族を指すのではなく、混然一体としているようです。
いずれにせよ、広い草原で畜産を生業としている人々の住む場所であることは間違いありません。田畑の農耕と同じでまじめで勤勉でなければつとまらない仕事です。移動も多いから、家族の結束も固くなります。互いに助け合わなければ多くの家畜を飼うことはできません
さて今日の人物、カリヴォダの作品はどこかしら懐かしく可愛らしいものが多いと思います。ボヘミアの出身と言うこともあるのでしょうか、自然で肩の凝らない感じが好きです。
ヤン・(クシチテル・)ヴァーツラフ・カリヴォダ(チェコ語: Jan (Křtitel) Václav Kalivoda, 1801年 - †1866年)は、ボヘミア出身の作曲家で楽長、そして優秀なヴァイオリニストでした。ドイツで活躍したため、ドイツ語読みの「ヨハン・バプティスト・ヴェンツェル・カリヴォダ」(Johann (Baptist) Wenzel Kalliwoda)の表記で広く知られています。ベルリオーズより2歳年上になります。現在では、余り有名とは言えませんが、当時の作曲家たち(例えばシューマン)からも高い評価を受けていたことは以前の記事にも書いてあります。
ヴァイオリニストだけにヴァイオリン協奏曲だけで7曲ありますし、弦楽器の作品は多いですが殆どの楽器の作品、オペラや交響曲も書いています。近いうちにそれらの作品も聴いてみましょう。
※ 以前の記事
① ホルンの出番です82カリヴォダ「2台のホルンとピアノのためのディベルトメント」op.59
② ホルンの出番です220 カリヴォダ「ホルンのための前奏曲とロンド」作品51
カリヴォダ, ヨハン・バプティスト・ヴェンツェル/コンチェルティーノ
Kalliwoda, Johann Baptist Venceslas CONCERTINO
