フルートの出番です170 モーツアルト「フルート四重奏曲」KV.285 | 翡翠の千夜千曲

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                       Mozart Flute Quartet K 285

Quatuor pour flûte et cordes en la majeur K. 285 Emmanuel Pahud, flûte Daishin Kashimoto, violon Amihai Grosz, alto Zvi Plesser, violoncelle In Salon-de-Provence August 2th 2016 

 

         

              W.A. Mozart: Flute Quartet No. 1 in D major, K. 285. I. Allegro

W.A. Mozart: Flute Quartet No. 1 in D major, K. 285. I. Allegro Denis Bouriakov (flute), Michelle Shin (violin), Chris Rogers-Beadle (viola), James Cooper (cello)

 

         

                W.A. Mozart: Flute Quartet No. 1 in D major, K. 285. II. Adagio

 

         

           W.A. Mozart: Flute Quartet No. 1 in D major, K. 285. III. Rondeau

 

 

 

 

   フルート四重奏曲は、モーツァルトが1777年から1786年にかけて作曲した室内楽曲です。フルート、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロの4つの楽器編成で、弦楽四重奏曲の第一ヴァイオリンをフルートが担当していることになります。第1番から第4番まで全4曲あり、特に第1番が有名で演奏もよくなされています。

 1777年9月、21歳のモーツァルトは職探しの目的でパリへの旅行に行った。その途次、長期間滞在したマンハイムには、当時のヨーロッパで有数の宮廷オーケストラがあった(マンハイム楽派参照)。モーツァルトはこのオーケストラへの就職を希望したが、成功するには至らなかった。しかしモーツァルトは、このオーケストラの名フルート奏者ヨハン・バプティスト・ヴェンドリング(Johann Baptist Wendling)という人物と親交を結び、ヴェンドリングは、ボン出身でオランダ東インド会社に勤務した裕福な医師(理髪外科医)フェルディナント・ドゥジャン(ド・ジャンとも、Ferdinand Nikolaus Dionisius Dejean)をモーツァルトに紹介する。音楽愛好家で、自身もフルートを吹くというドゥジャンは、モーツァルトに200フローリンで「小さくて軽く短い協奏曲を3曲と四重奏曲を何曲か、フルートのために作って」くれるように注文した。少しの収入が欲しかったモーツァルトはこれに応じ、結局出来上がったのはフルート協奏曲第1番、第2番(後者は旧作のオーボエ協奏曲の編曲)と3曲のフルート四重奏曲であった。しかし約束が違うというわけで、報酬は当初の話の半分以下の96フローリンにされてしまった。

 ドゥジャンのための3曲の四重奏曲の1曲目で、1777年12月25日に完成された。4曲中最も有名な作品です。この時、モーツアルトは後に結婚するコンスタンツェの姉アロイジアの夢中で、色々なことがうまく進まなかったようです。こういうことは誰にでもあるある・・・だなあ。

 

楽曲の構成

第1楽章 アレグロ  ニ長調、4分の4拍子、ソナタ形式。

フルートが輝かしく縦横無尽に活躍する。
\relative c'' {
    \version "2.18.2"
    \key d \major 
    \tempo "Allegro"
    \tempo 4 = 110
    \time 4/4
    a'2 \f fis4 \trill ~ fis8.  (g16))
    b8 (a) a2  \grace g32 (fis8) e16 d
    d8 e16 fis g a b cis d cis d cis d cis d cis
    \grace e16 (d8) cis16 b a4 r2
    a2 a4.\trill b8
    d, (cis) cis2 (d4)
    fis8 (e) g (fis) a (g) fis (e)
    g (fis) b (a) a4 r
}

第2楽章 アダージョ ロ短調、4分の3拍子、三部形式。 

 弦のピッツィカートの上にフルートの情緒纏綿たる悲歌が流れる。そのまま次の楽章に移行する。
<<
\new Staff \with { instrumentName = #"Fl "}  \relative c'' {
    \version "2.18.2"
    \key d \major 
    \tempo "Adagio"
    \tempo 4 = 50
    \time 3/4
   fis8. _ \markup{ sempre p} (g32 fis) b4 d
   cis8. (eis,16) \grace eis4 (fis2)
   e!8. (fis32 e) cis'4 e,
   d8. (\grace {e32 (d cis d} e16))  \grace eis4 (fis2)
   
}
\new Staff \with { instrumentName = #"V1 "}  \relative c'' {
    \key d \major 
    \time 3/4
    \set Staff.midiMinimumVolume = #0.2 \set Staff.midiMaximumVolume = #0.5
   r16 b,-. ^\markup{ pizzicato } d-. fis-. r fis-. b-. d-. r b-. d-. fis-.
   r fis _ \markup{ simile } cis ais r cis ais fis r ais fis cis
   r ais cis e r e' cis ais r cis ais fis
   r fis b cis r d b fis r b fis d
}
>>

第3楽章 ロンドー ニ長調、4分の2拍子、ロンド形式。

 精力的な楽想が連続する楽章である。
\relative c'' {
    \version "2.18.2"
    \key d \major 
    \tempo "Rondeau"
    \tempo 4 = 110
    \time 2/4
    a'4. \p (d8)
    cis (b) a4 
    gis16 (a gis a gis a b a)
    a8 (g!) fis4
    d  d8 d
    e4. fis16-. g-.
    a8-. g-. fis-. e-.
    d-. a-. fis-. d-.
    a''4. \f (d8)
    cis (b) a4 
    gis16 (a gis a gis a b a)
    a8 (g!) fis4
    d  d8 d
    e4. fis16-. g-.
    a8-. g-. fis-. e-.
    d-. a-. fis-. d-.
    }

引用部分は、ウィキペディア

 昨日16日は送り火をする日でした。長崎などでは灯籠流しをします。蓮の葉にナスやキュウリに苧殻で足などを指してお菓子などを添えて流すところもあります。あの世に戻るご先祖様が帰途で苦労しないように馬や牛の乗り物に見立てたのですね。秋田などでは、軒先に自動車や電車などのおもちゃを飾るところもあるらしいです。秋田、進んでるね!

 良く日本人は無宗教だと答える人が多いのですが、日本人ほど見境のない人もいません。八百万の神様をあがめ、お寺や神社に初もうでに出かけ、クリスマス、ハロウイン、教会で結婚式を挙げ、披露宴で角隠しを被ってお色直し、懲りない人たちですよ。かく言う私もか?

 いずれにしろ、亡くなった人を想い出してあげることは思い出寿命を延ばすことと言います。こうしたことは、むしろ生きている人間のためにこそあるのかもしれません。

 今日は、暑さもひと山越えて雨模様の様子です。少し、和らいだ空の下でモーツアルトでも聴きましょうか。

 

 

モーツァルト、ヴォルフガング・アマデウス/フルート四重奏曲ニ長調 KV285(パート譜)
Mozart, Wolfgang Amadeus
QUARTET D-DUR KV285 (PARTS) (REVIEWED : MAKOTO SASAKI / ARR.JIRO TAKASHITA)
(監修:佐々木真 / 編曲:高下二郎)

 

モーツァルト:フルート四重奏曲

アマデウス弦楽四重奏団 (アーティスト), モーツァルト (作曲), & 3 more  Format: Audio CD