クヴァンツ「トリオソナタ」ハ長調 バロック後期の音楽18 | 翡翠の千夜千曲

翡翠の千夜千曲

音楽を学びたい若者で困難や悩みを抱えている人、情報を求めている人のための資料集

    

     Quantz - Trio sonata in C minor Croatian Baroque Ensemble

Johann Joachim Quantz (1697.-1773.) Trio sonata in C minor QV 2:Anh.5 Andante moderato Allegro - Larghetto - Vivace Croatian Baroque Ensemble Ana Benić, flute Stjepan Nodilo, oboe Lea Sušanj Lujo, cello Pavao Mašić, harpsichord

 

 

 

 大変に均整の取れた心に染み入る美しい音楽に満ち溢れた曲です。1楽章を聴いていいると何か救われた気持ちになるほどです。Andante moderato Allegro - Larghetto - Vivaceと書かれてあるだけで、楽曲のスタイルを指定してはいませんが、ソナタ・ダ・キエーザと言って教会ソナタの形式を指します。バロック時代ではよく使われた形式の一つです。緩急緩急のように配置されます。

 2楽章は、小フーガで通称フガートと呼ばれます。しっかりとして構成になっていてどっしりとした作りです。傑作と言っていいと思います。3楽章は、愛情の籠った母親のぬくもりのような曲です。4楽章は、舞曲形式で書かれています。

 フリードリヒ大王のフルート教師として名を残しているクヴァンツですが、正式にはヨハン・ヨアヒム・クヴァンツ(Johann Joachim Quantz, 1697年 - 1773年)は、ドイツのハノーファーの近くのオーバーシェーデンで生まれ、ポツダムで没した18世紀のヨーロッパを代表する名フルート演奏家で作曲家でした。クヴァンツはドイツ、プロイセンのフリードリヒ大王のために300曲に及ぶ協奏曲 と200曲ほどのソナタ など、驚くべき数の作品を残しています。それらと比較するとトリオ・ソナタの数は及びませんが、それでも50曲近く書かれています。それらの上2声部の楽器編成を比較すると、(2Fl.) と(Fl.Vn.) の組み合わせが大半で、他の管楽器の組合せは (Fl.Ob.) と (2Ob.)などがあります。弦楽器では時折 (Va.)( Vc.)などの場合もあります。

 彼の人生の一部は、下記の記事に書かれています。

※ 以前の記事

① 翡翠の千夜千曲 - 『フルートの出番です㉞ クヴァンツ ...

② ホルンの出番です クヴァンツ「ホルン協奏曲」変ホ長調 | 翡翠 ...

 

クヴァンツ、ヨハン・ヨアヒム/トリオソナタハ短調QV2:ANH.5(原典版

Quantz, Johann Joachim TRIO SONATE C-MOLL QV2:Anh.5,URTEXT
 

クヴァンツ: トリオ・ソナタ集

アンサンブル・ラビリント・アルモニコ

ドイツ・バロック期の作曲家ヨハン・ヨアヒム・クヴァンツのトリオ・ソナタ集。
プロイセン王フリードリヒ2世のフルート教師を務め、王のために300曲以上のフルート協奏曲を作曲。また晩年に著述した『フルート奏法試論』は現在でも多くの人に愛読されています。このトリオ・ソナタは、王に仕える以前のドレスデン時代に作曲されたもので、これらはアルカンジェロ・コレッリによって体系化された、当時ヨーロッパで最も流行していた室内楽のジャンルに属するものです。クヴァンツは楽器間の優雅な対話に加え、フーガを思わせるパッセージを強調、のちの大規模な協奏曲を予見させるような独自の音楽語法が用いられています。
アンサンブル・ラビリント・アルモニコはヴァイオリン奏者ピエルルイジ・メンカッティーニが設立したイタリアの古楽器アンサンブル。数々の音楽祭に出演するなどイタリア国内外で活躍しています。ナクソス・ジャパン

構成数 | 1枚

【曲目】
ヨハン・ヨアヒム・クヴァンツ(1697-1773):
トリオ・ソナタ ト長調 QV 2:Anh.26…世界初録音
1. I. Andante grave
2. II. Allegro
3. III. Largo
4. IV. Presto
トリオ・ソナタ ト短調 QV 2:Anh.34
5. I. Grave
6. II. Allegro
7. III. Siciliana
8. IV. Allegro
トリオ・ソナタ ハ短調 QV 2:Anh.5
9. I. Andante moderato
10. II. Allegro
11. III. Larghetto
12. IV. Vivace
トリオ・ソナタ ト長調 QV 2:Anh.28
13. I. Andante
14. II. Allegro
15. III. Un poco largo
16. IV. Vivace
トリオ・ソナタ ハ長調 QV 2:Anh.3
17. I. Affettuoso
18. II. Alla breve
19. III. Larghetto
20. IV. Vivace

トリオ・ソナタ ト長調 QV 2:29…世界初録音
21. I. Andante
22. II. Allegro
23. III. Larghetto
24. IV. Allegro assai
【演奏】
アンサンブル・ラビリント・アルモニコ
ロベルト・トルト(リコーダー)
ピエルルイジ・メンカッティーニ(バロック・ヴァイオリン)
ガリレオ・ディ・イリオ(バロック・チェロ)
セルジオ・バジリコ(アーチリュート)
ワルター・ダルカンジェロ(チェンバロ)
[使用楽器]
リコーダー:
ジャコモ・アンドレオーラ(ソンドリオ)製作J.デンナー・モデル
メック社製J.デンナー・モデル
メック社製ロッテンブルク・モデル