Légende by Robert Planel Luke Baker
ご存知の方も多いと思いますが、フランスには「ローマ賞」という冠の付いたコンクールがあります。ローマ賞(フランス語:Prix de Rome)は、フランス作曲家における登龍門のコンクールの1つであり、年に1回行われます。大賞を得た者はフランス政府から奨学金付の留学をする権利を与えられるのです。1663年、ルイ14世によって創設され、1968年廃止されるまで続きました。
つまり、300人を超える作曲家がこれを受賞していることになります。この賞に応募するものが何人かいて、そんなものに興味を示さない作曲家がいて、ヨーロッパを中心にした各地に同数の作曲家がいれば、その数はいくらになるのでしょうか。
しかし、今日聴くホルンの作品「伝説」はその305人の中に入る「ロベール・プラネル」が書いた曲です。彼もそのローマ賞を取った一人ですが、どれだけの人がこの人の名を知っているのでしょうか。そういうことを考えると、私たちが知っている著名な作曲家は何と名誉な人たちなのでしょうか。プラネルは、ホルン協奏曲も書いていますので、いつかまた紹介したいと思います。
ロベール・プラネル(Robert Planel、1908年 - 1994年)は、フランスの作曲家です。
モンテリマール出身。父親のアルフォンス・プラネル(1869年-1947年)は作曲家でモンテリマール音楽院の創設者であった。1914年から1918年までパリ国立オペラで最初のヴァイオリンのレッスンを受けた。1922年から1933年までパリ国立高等音楽・舞踊学校でヴァイオリンのほか、和声をジャン・ギャロンに、対位法をジョルジュ・コサードに、作曲をアンリ・ビュッセルとポール・ヴィダルについて学んだ。1933年にローマ賞を受賞し、1934年から1936年までイタリアに留学した。1945年からパリ市の音楽教育の総括監察官として活躍し、パリ地方音楽院を創設した。
この伝説は、6分余りの曲ですが、分かり易い作品であり、後期ロマン派の域を出ない作品ではありますが、フランスらしい気品を備えた作品です。
<演奏者>ルーク・ベイカー
テキサス州ヒューストン出身のルーク・ベイカーは、過去2年間、ニューヨークでオーケストラ・ナウでホルン奏者として務めました。ルークはイェール音楽学校で音楽の修士号を取得し、SMUのメドウズ・スクール・オブ・アーツで音楽の学士号を取得しました。
ルークはフォート・ウェイン・フィルハーモニー管弦楽団とアナポリス交響楽団と共にゲスト・プリンシパル・ホーンとして演奏しました。その他の多くのオーケストラにも出演しました。ルークは、2017年のメドウズ学部協奏曲コンチェルトコンクールである2017年国際ホルン・コンペティション・オブ・アメリカ大学部門の受賞者に選ばれました。また、2018年国際ホルンシンポジウムプレミアソロコンペティションのファイナリストに選ばれ、2011年のアメリカン・フェスティバル・フォー・アーツ・ヤング・アーティスト・コンペティションで準優勝しました。ルークは大きなオーケストラで演奏を楽しんでいますが、ソロ演奏や室内楽への情熱を持っています。
By Robert Planel