Respighi: 6 Pieces for Piano (Scherbakov)
今日は、可愛らしいレスピーギに会いに行きましょう。ピアノのための6つの小品は、「甘美なワルツ」、「カノン」、「ノクターン」、「メヌエット」、「練習曲」、「間奏曲・セレナード」の6つの曲からなる小品曲集です。はじめは5曲の曲集としてまとめられていましたが、第6曲の「間奏曲・セレナーデ」が加えられて、6曲の小品曲集となっています。
作曲は 1903年ごろと推定されています。レスピーギは色彩豊かなオーケストレーションで彩られた「ローマの噴水」、「ローマの松」、「ローマの祭り」といった「ローマ三部作」や、「リュートのための古風な舞曲とアリア」などを思い出されるのではないでしょうか。レスピーギの管弦楽作品や室内楽作品は、その優れたオーケストレーションで世界的に高く評価され、現在でも多くの人から愛されています。
しかし、これを聴いてお分かりの通り、多くの優れたピアノ作品があります。ピアノ作品はこれまであまり話題にならなかったのではないでしょうか。「ピアノソナタ イ短調」や「組曲」、「プレリュード」などの優れた作品があります。
一方、レスピーギは古い音楽(古楽)の研究家でもありました。「リュートのための古風な舞曲とアリア」や「グレゴリオ聖歌による3つのプレリュード」など古楽に基づく編曲作品があります。意外なことですが、若い頃の作品に目が留まるようになったのは没後のことです。多くがボローニャ音楽院在学中から青年期にかけて作曲されたものですが、研究者たちはレスピーギの青年期の作品にあまり注目していませんでした。
没後25周年にレスピーギの妻エルサ夫人がレスピーギの自筆の楽譜を整理し、そのの多くを寄贈したことから、初期作品の数々が研究者の目に留まるようになったのです。
第1曲 「甘美なワルツ」 A-B-A-C-Aのロンド形式で書かれていて、名前の通り、甘美な調べの美しいサロン風のワルツとなっています。
第2曲 「カノン」 大意的に書かれています。主題の旋律はメロディックで美しい作品です。この曲は、後の「組曲」の第2曲にも使われています。
第3曲 「ノクターン」 A-B-Aの三部形式です。日本では「夜想曲」と言われていますが、印象派風の響きで夜の甘美さを表現しています。
第4曲 「メヌエット」 第1曲の「甘美なワルツ」と同じく3拍子の曲ですが、この曲は伝統的な舞曲形式で書かれた新古典主義の作品です。後にオーケストラ版にも編曲しています。
第5曲 「練習曲」 妙な言い方ですが、イタリア風でもあり、フランスのスタイルを持っています。全体的にはショパンのエチュードを意識しているのでしょうか、ち密に作り込まれて、調性が動き回る中で跳び跳ねる和音を的確に弾くのは大変です。
第6曲 「間奏曲・セレナード」最初に書いたオペラ「レンツォ王」の間奏曲だったものをピアノ用に編曲したのでしょう。優しく滑らかなメロディは美しいものです。全曲を通してレスピーギのピアノに対する姿勢がうかがわれます。
<演奏者>
コンスタンティン・アレクサンドルヴィチ・シチェルバコフ( Konstantin Alexandrovich Scherbakov, 1963年6月11日 - )は、ロシア生まれのピアニストです。
11歳でベートーヴェンのピアノ協奏曲第1番を演奏しデビュー。その後、モスクワ音楽院でレフ・ナウモフに師事しています。数々の有名コンクールを制覇した後、1983年の第1回ラフマニノフ国際コンクールで優勝しました。1990年、第20回オソロ室内楽音楽祭(Chamber Music Festival of Asolo)でラフマニノフの全曲演奏を行い、スヴャトスラフ・リヒテルに称讃された。1998年から、スイスのチューリッヒ音楽大学で教授職に就いています。現代の技巧派ピアニストとして知られ、これまでに、フランツ・リストの編曲によるベートーヴェンの交響曲全曲(NAXOS)、ニコライ・メトネルのピアノ協奏曲全曲(NAXOS)、レオポルド・ゴドフスキーのピアノ曲全集(未完成、Marco Polo)、セルゲイ・リャプノフの超絶技巧練習曲全曲(Marco Polo)、ヨハン・シュトラウス2世編曲集(EMI classics)など多くの難曲を録音しています。
レスピーギ:ピアノ曲「リュートのための古い舞曲とアリア」/「ピアノのための6つの小品」/他
レスピーギ (作曲), コンスタンティン・シチェルバコフ (演奏) 形式: CD

