ホルンの出番です114 エセル・スミス「ホルンとヴァイオリンの協奏曲」 | 翡翠の千夜千曲

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Ethel Smyth - Concerto for Violin, Horn and Orchestra Kateryna Timokhina & Konstantin Timokhine

 

   

      Concert for Violin and Horn - Ethel Smyth. 1st and 2nd movement

 

  協奏交響曲としてヴァイオリンとホルンの組み合わせは無いわけではありませんが、数としては多くはありません。仮に、ヴァイオリンがストラでヴァリウスだとしても、ホルンのパワーにはかないませんから十分な調整が必要です。スマイスの作品は、構造的にも音楽的にも大変がっちりとしていますから、十分なアナリーゼをした上で演奏するのが望ましいと思います。技術的な問題だけではありません。

  エセル・メアリー・スマイス(Ethel Mary Smyth DBE, 1858年 - 1944年) は、イギリスの作曲家です。19世紀後半の女性作曲家としては、フランスのオーギュスタ・オルメスやセシル・シャミナード、アメリカのエイミー・ビーチと並ぶ偉大なパイオニアと言えます。また、女性解放運動の闘士としても名を残した、先駆的なフェミニストでもありました。晩年に聴力を失ってからは、エッセイストに転じ、自伝や交遊録を残しています。ナディア・ブランジュより30歳ほど年上ですから、こうした評価は妥当なものでしょう。
  現在はベクスリー・ロンドン で生まれました。軍人で厳格な父親への反感からドイツに渡り、短期間ライプツィヒ音楽院で院長カール・ライネッケなどに学びますが、校風になじめず退学し、ウィーンに渡って、ヨハネス・ブラームスの友人ハインリヒ・フォン・ヘルツォーゲンベルクに私淑して作曲技法を磨きました。ブラームスのことを「音楽界の救世主」と呼んだほどに熱烈なブラームスの崇拝者でしたが、初期と晩年に器楽曲を物したのを除けば、歌曲や合唱曲、とりわけオペラ作曲家として活躍しました。  
  初期の器楽曲にはメンデルスゾーンやシューマン、ブラームスの影響が見られます。帰国後のオペラ作品はアーサー・サリヴァンとワーグナーの影響が著しく、色彩的なオーケストラの用法と自在な転調、凝った和声と旋律の創意が顕著です。第一次世界大戦以降は、ホルストなどの影響のもとに新古典主義に傾倒し、生涯を通して、重厚な響きと堅固な構成力、情熱的な表現を好みました。サリー州ウォキングで没。

  

<演奏者>ヴァイオリン

  スイスの若いウクライナ人アーティスト、カテリーナ・ティモキナは、彼女の卓越した才能と表現力で世界中の観客を魅了します。12歳の時、カメラタ・キエフ州立管弦楽団でソリストとしてデビュー。それ以来、チューリッヒ管弦楽団(OGZ)など様々なオーケストラとソリストとして演奏を行ってきました。
  国際音楽コンクールで数々の賞を受賞。 2007年のウクライナ・ユース・イン・ヨーロッパ・コンペティション、ビショフツェルのユーゲントムジークエットベヴェルブ、ローザンヌの「ニカティ・デ・ルゼ」コンペティション、2010年の「ピエリーノ・アンブロソリ財団」奨学金、ジェフディ・メヌヒン「ライブ・ミュージック・ナウ」組織の2011年奨学金賞などです。
  彼女の若さにもかかわらず、非常優れたパフォーマンスを披露しています。リサイタルソリスト、シンフォニーオーケストラとのソリスト、シンフォニーコンサートの演奏など、各国での数々の公演をしています。オーストリアでのスイスでの研鑽をつみ、専門的な経験を積んで、イェール教授のもとで学んでいます。

<演奏者>ホルン

  コンスタンチン・ティモハインは1973年にキエフで生まれました。7歳のころ、ライセンコ音楽特別学校に入学し、ホルン、ヴァイオリン、ピアノを学びました。キエフ国立音楽院とジュネーブ音楽院のスーパーエリューレ・ド・ミュジークでのさらなる研鑽を積み増した。指揮と室内楽とは別に、ホルンを研究し、ソロ・パフォーマンスのディプロマを達成しました。彼はデビッド・ジョンソンの元で学び、ソロ・パフォーマンスのための別のディプロマを取得しました。

  国際ホルン・コンペティションとコンクールCNEM Riddes(スイス)の両方で1位を獲得しました。17歳の時、ウクライナのユースオーケストラで日本でのコンサートツアーでデビューしました。彼は様々な交響楽団でヨーロッパ中のホルンソリストとして成功を収め、多くのホルン協奏曲を演奏しました。アンサンブルでも活躍しています。

ジュネーブ室内管弦楽団のソロ・ホーニスト、チューリッヒ・オペラ管弦楽団の聖ガレン交響楽団、ホルニストを務めた後、現在はバスレ室内管弦楽団の首席ホルン奏者として、国際的に有名なソリストや指揮者と定期的にツアーを行い、世界中の大規模なコンサートホールで演奏しています。

  オーケストラ・アンサンブル金沢では、マルジカ・デュ・ルーヴル、マーク・ミンコフスキ(フランス)、ジャルディーノ・アルモニコ(イタリア)でジョヴァンニ・アントニーニの下でソロ・ホルニストとして演奏しています。

 

 

 

  

Concerto for Violin Horn & Orchestra
BBC Philharmonic Orchestra (アーティスト), & 2 その他  形式: CD