ラインベルガー 3つの宗教的な歌 op.69より「Abendlied」 | 翡翠の千夜千曲

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        Rheinberger - Abendlied - The Cambridge Singers

 

    

       Abendlied | Rheinberger | Ensemble ZENE

 

  この曲は、3つの宗教的な歌 op.69の中の1曲です。美しく、音楽的にも豊かな響きに満ちた秀作です。今は、無名に近くても優れた音楽家は多くいます。そのような人の積み重ねによって現在があります。彼の作品が、今後多く演奏されることを望みます。Abendliedは昨夜の歌という意味です。

  ヨーゼフ・ガブリエル・ラインベルガー(Josef Gabriel Rheinberger、1839年 - 1901年)は、リヒテンシュタインの首都ファドゥーツに生まれ、ドイツ帝国のミュンヘンに没した作曲家で、オルガン奏者、指揮者、そして教育者でもありました。
  5歳より音楽教育を受け、7歳でファドゥーツ・聖フローリン教会のオルガン奏者となり、この頃最初の作曲を行ったと言われています。1851年にミュンヘン音楽院に入学。専攻はピアノと音楽理論、他にオルガン奏法を学んでいます。1859年には同音楽院にてピアノ演奏の教師に就任。翌年作曲、和声、対位法、音楽史の教授に就任。1863年聖ミハエル教会のオルガニスト、1864年ミュンヘン・オラトリオ協会の指揮者、王立歌劇場の コレペティートルも勤めています。1867年にミュンヘン音楽院が再建されるとオルガンと作曲の教授となり、終生その地位にありました。音楽教師として非常に優秀だったため、ヨーロッパ及びアメリカから彼を慕って生徒が集まります。高名な教え子としてはエンゲルベルト・フンパーディンクやヴィルヘルム・フルトヴェングラーなどがいます。直接の教え子ではないが、マックス・レーガーなどからも慕われていました。リヒャルト・シュトラウスはいくつかの作品を指揮しています。また、マックス・ブルッフとは手紙による交流がありました。
 1877年に宮廷楽長に任ぜられます。聖グレゴリーの騎士に、1887年ベルリン王立芸術アカデミーの名誉賞を受賞[、1895年バイエルン王室より大十字勲章を授けられ一代貴族、1899年ミュンヘン大学哲学部より名誉哲学博士号の授与、など生前は高い地位と名誉を収めています。妻フランチスカの死去以後は孤独な人生を送りましたが、創作意欲は衰えず、彼自身が亡くなる年まで作曲・出版が続いきました。生前は絶大な人気を誇った作曲家でしたが、死後その作品は急速に忘れられていきました。
 作曲家としてはオルガン曲が有名で、20あるオルガンソナタは彼の代表作です。そのほか宗教曲、管弦楽曲、室内楽曲、ピアノ曲にも多くの作品を残しています。 合唱曲では、3つの宗教的な歌 op.69の第3曲Abendlied(夕べの歌)が小品ながら知られています。また九重奏曲 op.139(フルート、オーボエ、クラリネット、ファゴット、ホルン、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバス)はよく演奏されます。