レスピーギ「ローマの松」 | 翡翠の千夜千曲

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        Respighi - Pines of Rome with standing ovation!!!

 

  第1部 ボルゲーゼ荘の松 ボルゲーゼ公園の松並木。アレグレット・ヴィヴァーチェ→ヴィヴァーチェ

  色彩豊かで、煌びやかな音楽です。人々の雑踏のようにも思えます。繰り返される旋律は、旋法でありながら細かに分断され、素早く細かく散らばらせるので毛色の違った響きになります。アレグロビヴァーチェを32分連符や7連符が飛び交う中、グリッサンドやトリルが駆け巡る。2/8拍子に休符を伴う16分音符の3連符が現れる。2拍子と3拍子が入れ替わる。

  第2部 カタコンバ付近の松 レント(4分の4拍子)
  「カタコンバの入り口に立っている松の木かげで、その深い奥底から悲嘆の聖歌がひびいてくる。そして、それは、荘厳な賛歌のように大気にただよい、しだいに神秘的に消えてゆく。」

 Ⅱに入ると、テンポはLentoに落ち着、き厳粛な装いのPiu mossoでは、旋法で旋律が描かれるが5度の平行和声の中を低音部が厳かなテーマを奏で悲嘆の聖歌から、壮大な讃歌のように高揚して行きます。ピアノ細やかなパッセージの後、クラリネットの伸びやかな音楽が保続される弦楽器の響きの中に消えていきます。街道の両脇に飢えられた松に午後の陽が当たるかのような、じりじり照り付ける様子のようにも思えます。

  第3部 ジャニコロの松 レント(4分の4拍子)

  「そよ風が大気をゆする。ジャニコロの松が満月のあかるい光に遠くくっきりと立っている。夜鶯が啼いている。」遠く鳥の鳴く声、静寂から、不気味な低音に混じるバスクラリネット、イングリッシュホルン、ファゴット、トランペット、ホルン、すべて管楽器と弦楽器が鳴り出す頃バンダのトランペットが加わりピークに達する。、

  「ローマの松」( Pini di Roma)は、イタリアの作曲家オットリーノ・レスピーギによって1924年12月に完成された交響詩で、この前後に作曲した「ローマの噴水」(1916年「ローマの祭り」(1928年)と共に「ローマ三部作」と呼ばれます。レスピーギがサンタ・チェチーリア音楽院の教授や委員長を務めていた時代の作品です。

 

 

 

 

レスピーギ:ローマ三部作 「ローマの松」「ローマの噴水」「ローマの祭り」 CD
アルトゥーロ トスカニーニ(cond)、NBC交響楽団