ホルンの出番です70 ジュゼッペ・カンビーニ「木管5重奏」1番2番3番 | 翡翠の千夜千曲

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 Giuseppe Maria CAMBINI, Quintet à vents n°1 en Sib M - Allegro Maestoso - Intemporalis Ensemble

Enregistrement live sur instruments d'époque dans le "Ciclo de Musica Barroca de Loures - PORTUGAL". Septembre 2020

 

  演奏がいまいちだなあと思ってしまいました。ごめんなさい。説明文を読んで気がつきました。映像からははっきりしませんが、古楽器を使用しているようです。(全部かどうかは定かではありません)

  ジュゼッペ・カンビーニ(Giuseppe Cambini, 1746年-1825年)は、イタリアの作曲家で、ヴァイオリニストでした。モーツアルトより10歳年上ですが、ほぼ同時代を生きた人です。後にパリで活躍した人物です。
  1765年頃にマンフレーディ、ルイジ・ボッケリーニ、ピエトロ・ナルディーニと共に弦楽四重奏団を組み、ヴィオラ奏者としてヨーロッパ中を演奏旅行して評判になっています。その後ナポリでオペラ作曲家としてデビューしたのですが、うまくいかず、放浪するも、その後パリに移りって多くの作品を発表し、やがて最も人気のある作曲家の一人となります。
  モーツアルトとのトラブルがあったようですが、どこまで本当かは分かりません。   

  1778年にモーツァルトは3度目のパリ滞在を始めた。同地でコンセール・スピリチュエルという1725年以来テ ュイルリー宮殿で行われている演奏会で演奏するため、交響曲第31番『パリ』とオーボエ、クラリネット、ホルン、ファゴットと管弦楽のための協奏交響曲を作曲した。交響曲第31番は7月に演奏されたが、協奏交響曲の方は、初演直前に楽譜が行方不明となってしまった。1778年5月1日の父レオポルト宛ての手紙において、モーツァルトはカンビー二の妨害ではないかと疑い、またその理由を次のように記している:<以下手紙>
  初めて会った時、何も知らずにしたとはいえ、ひどい目にあわせたのです。この人の四重奏の1つをぼくは聴いたことがあります。とてもきれいな作品で、なかなかいい曲です。ぼくはカンビーニにあれは良い曲だとほめ、始めの方を弾いて聴かせました。ところがそこにリッターとラムとプントがいて、いつまでもぼくの演奏を止めさせないのです。カンビーニが知らないところは自分で作って弾けばいいというので、ぼくはそうしてやりました。すると、彼はすっかり度を失ってしまって、思わず「こいつはすごいやつだ!」などと言ってしまったのです。こんな事があったのであの人はきっと、いい気持ちはしなかったと思います。


  つまり、侮辱された腹いせに楽譜を盗んだと思い込んだようです。しかし、カンビーニはモーツァルトを高く評価していたようで、盗んだと言う者が彼である可能性は低いとみられています。一時は売れっ子で、13曲のオペラ、80曲以上もの交響曲(協奏交響曲を含む)、149曲の弦楽四重奏曲、110曲の弦楽五重奏曲を作曲し、他にも多くの器楽曲、宗教曲などを残した多作家でした。1770~90年代に書かれた弦楽四重奏曲、弦楽五重奏曲などの室内楽曲は、明快でわかり易い旋律とアンサンブルの響きへの心配りが見られ、洗練された雰囲気などから魅力的な作品となっています。
 5重奏は、派手さはありませんが、良くまとまった作品です。丁寧に演奏し、良さを味わいながらこの作品の良さを引き出してください。

 

      

         Giuseppe Maria Cambini - Quintet No. 2 in D minor

 

      

 The Rustling Winds Wind Quintet No 3 in F Major Giuseppe Maria Cambini I Allegro maestoso

 

  木管五重奏曲第1番変ロ長調はモーツァルトを思わせる和音の使い方が見られ、各楽器のバランスの良さがめだちます。3曲共に3つの楽章で構成されています。
 第2番ニ長調は第1楽章の哀愁的な主題が印象的です。第2楽章の「ラルゲット・ソステヌート・マ・コン・モト」美しい旋律です。第3楽章「プレスト・マ・ノン・タント」は速いテンポでバランス良く演奏したいものです。
 第3番ヘ長調は第1楽章でホルンの主題が冒頭から流れます第2楽章「ラルゲット」はオーボエの哀愁的な主題で始まり、ファゴットの響きからホルンへの高音域のソロへつながっていきます。第3楽章「ロンド/アレグロ・コン・ブリオ」軽快な主題から始まります。各楽器のバランスの良いアンサンブルをたのしみたいものです。

  動画はないですが、3番は下の演奏の方が素晴らしいです。

 

     

         Wind Quintet No. 3 in F Major: II. Larghetto

 

 

 

       

 

カンビーニ:木管五重奏曲 第1番 - 第3番/ブリッチャルディ:木管五重奏曲ニ長調(アヴァロン管楽五重奏団)