ホルンの出番です⑧ くるみ割り人形より 花のワルツ | 翡翠の千夜千曲

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     チャイコフスキー「くるみ割り人形」より ”花のワルツ” 

     吉田裕史指揮 ボローニャ歌劇場フィルハーモニー

 

  くるみ割り人形より第8曲 花のワルツ (Valse des fleurs)
  Tempo di Valse、ニ長調、4分の3拍子(複合三部形式)。序奏は、オーボエ、クラリネット、ファゴット、そしてハープが効果的に用いられ、ハープのカデンツァが終わると、ホルンにより主題が提示されます。続くワルツの主題は弦楽器と管楽器の掛け合が反復されます。その後、オーボエとフルートの新たな主題が現れ、さらにヴィオラ・チェロによる主題が提示された後、再び第一主題へと戻り、終結する形になっています。
  バレエ組曲「くるみ割り人形」(作品71a)は、チャイコフスキーがバレエ音楽から急きょ編纂した組曲です。「くるみ割り人形」の作曲中に演奏会の依頼が来たのですが、手元に新作がないうえに、作曲する時間もなかったためので、作曲中の「くるみ割り人形」から8曲を抜き出して演奏会用組曲としたものです。バレエ作品の方は、チャイコフスキーが手掛けた最後のバレエ音楽であり、1892年にサンクトペテルブルクのマリインスキー劇場で初演されました。
  本作のストーリーは、クリスマス・イヴにくるみ割り人形を贈られた少女が、人形と共に夢の世界を旅するという物語です。原作は、ドイツのE.T.A.ホフマンによる童話「くるみ割り人形とねずみの王様」を、アレクサンドル・デュマ・ペールがフランス語に翻案した「はしばみ割り物語」です。

  ホルン吹きの、表立って出る場面は僅かですが、誰も知っている曲なのでへまはできません。実際私は、何度か聞いたアンコールやチャイコフスキーチクルスなどで音を外した演奏者が落ち込んでいるのを見たことがあります。馬鹿にしてはいけません。逆は、聞いている人がきちんと拍手してくれます。

 

 

チャイコフスキー:バレエ《くるみ割り人形》全曲 [SHM-CD]
ワレリー・ゲルギエフ
Valery Gergiev   CD
レーベル    デッカ
ユニバーサル ミュージック合同会社
1998年8月  バーデン=バーデン
指揮者    ワレリー・ゲルギエフ
マリインスキー劇場(キーロフ歌劇場)管弦楽団・合唱団