医学部に合格した日から、たった1ヶ月で崩れた「国公立だから安心」

 

 

医学部合格の知らせを受け取った日、我が家はみんなで大喜びしました。

パソコンの画面を見て「受かった!」

長かった受験が、ようやく終わった。
もうこれで何も心配することはない。
あの瞬間、心からそう思いました。


けれど、その喜びと安堵のすぐ後に次々と「知らなかった請求書」が届き始めることを当時の私はまだ知りませんでした。

入学金や6年間の授業料については、受験前からある程度調べていたので、金額そのものには驚きませんでした。

本当に驚いたのは、入学案内の振込用紙にも、保護者会の説明にも、どこにも書かれていなかった出費でした。


合格発表からわずか数週間後、大学から届いた入学案内の封筒を開いた時のことを、今でも覚えています。

授業料の振込用紙の後ろに、教材費や実習費といった項目が並んでいて、「ああ、これだけ用意しておけば大丈夫なんだな」と、正直ほっとしたのを覚えています。

けれど、本当の出費はそこには書かれていませんでした。

指定の専門書は分厚く、そして高額。
しかも学年が上がるごとに買い足しが必要になり、教材費は桁が違います。

そして、一人暮らしの初期費用です。
合格発表からわずかな期間で、敷金、礼金、仲介手数料、家具家電一式をそろえる必要がありました。

けれど、私が本当に驚いたのは、ここから先でした。


一つは、毎月の生活費です。

入学案内には「授業料」の文字はあっても、「毎月の食費」「毎月の光熱費」という文字はどこにもありません。

当たり前といえば当たり前なのですが、振込用紙に書かれていない出費というのは、なぜか想定外のように感じてしまうものです。

地方で一人暮らしをする子どもの、家賃、食費、光熱費、通信費。

これが毎月、当たり前のように口座から出ていきます。

受験期には「授業料さえ払えば」と思っていた自分の甘さを入学して最初の引き落とし通知を見た時に思い知りました。


そしてもう一つ、私が一番驚いたのが、学校から届いた「6年分の保険代」の案内でした。

学生教育研究災害傷害保険という、名前すら聞いたことのなかった保険です。
しかも、単年度ではなく6年分をまとめて案内されたその金額を見て、私は思わず二度見しました。

入学金や授業料のように大きな費目として最初から意識していたものではなかったからこそ、余計に心にこたえました。

振込用紙には載っていない、けれど確実に必要になる。

そういう出費が、この先も次々とやってくるのだと、この時初めて実感しました。

さらに続くのが、部活動費です。
医学部の部活動には、他学部にはない独特の文化があります。

遠征費、合宿費、OB会への会費。

金額もさることながら、その頻度に驚かされました。

「大学生になったら、勉強だけしていればいい」という私の想像は、入学後わずか1ヶ月で音を立てて崩れ去りました。


見落としがちなのが、帰省や実家との往復にかかる交通費です。

地方から進学した場合、盆と正月だけでなく、体調を崩した時や、部活動の都合で予定外に帰省することもあります。


そして、これは多くの親が入学の時点ではまだ想像もしていないと思うのですが、国家試験に向けた予備校費用があります。

6年生になると、多くの学生が国家試験対策の講座を受講します。

合格から国家試験まで、まだ何年もあるのに、と思うかもしれませんが、大学のカリキュラムはあっという間にそこへ向かって進んでいきます。


一つひとつは、確かにそれほど大きな金額ではないのかもしれません。

けれど、毎月の生活費と、6年分の保険代という、振込用紙の外側にある出費が積み重なっていくと、入学前に想定していた予算を、気づけば大きく超えていました。

振り返ってみると
「国公立医学部だから学費は安心」という言葉は、半分は正しくて、半分は危険な思い込みだったと感じています。

授業料という一番大きな数字だけを見て安心していた私たちは、その周りに広がる無数の出費の存在に、入学してから初めて気づかされることになったのです。

誰かがあらかじめ教えてくれていたら、少なくとももう少し心の準備だけはできていたかもしれません。

この記事を書いているのも、まさにその想いからです。

塾でも学校でも、「合格した後」のお金について、具体的に教えてくれることはありません。

もし今、お子さんの医学部合格を目指して、日々頑張っているなら…

合格までの道のりと同じくらい、合格した「あと」にも、お金の現実があるということです。

それを知らずに迎える春と、知って備えて迎える春とでは、心の余裕がまったく違います。

問題は、金額の大きさではなく、知らなかったことでした。

知っていれば備えられたはずのことに、後から慌てて対応することの方が、家計にも心にも、ずっと大きな負担になるのです。


我が家が実際に直面した金額の内訳、そして卒業までにかかる総額のリアルな数字について具体的にまとめています。

あの時の私のように、春になってから「知らなかった」と慌てないで欲しいと願っています。そして、親がかかるお金ではなく、子どもの毎月の交際費を最近知って、とても驚きました。
正直に言うと私のお小遣いの◯ヶ月分です。

我が家の医学部受験

我が家の医学部受験に関するお話をこれまでをまとめました。

💜【医学部受験】医学部受験で後悔しない親になる38の視点

 

① 二次出願先や地域枠の「事前戦略」が分かる 共通テスト後に考えるのでは遅い出願戦略、地域枠で後悔しないための確認事項が具体的に分かります。

② 偏差値・倍率の「ワナ」に惑わされない志望校選びができる 「偏差値65」という数字だけで判断すると失敗する理由、穴場大学の見つけ方、単科医科大学と総合大学の違いが分かります。

③ 学年・時期別に何をすべきか具体的な計画が立てられる 現役合格した子の時期別学習計画・参考書リストなど、実例ベースで分かります。

④ 学費・受験費用のリアルな金額を事前に把握できる 1,500万円の内訳や資金計画など、後から慌てないための具体的な数字が分かります。

⑤ 「多浪が多い理由」「失敗する人の特徴」など、表には出にくい実情が分かる 多浪が多い6つの理由、医学部受験で失敗する人の特徴、「戦略ゲーム」としての医学部受験の実態が分かります。

⑥ 地域枠・私立医学部という選択肢の判断材料が持てる あえて私立を受験する価値、地域枠を巡る訴訟から見える不公平など、選択肢ごとのリスクとメリットが分かります。

⑦ 医師という進路自体の将来性を考える材料が得られる 志願者減の背景、「医師が余る」は本当かなど、受験の先にある進路選択の視点が持てます。

⑧ 実際に合格した家庭の「親の関わり方」を追体験できる 情報戦・逆算戦略・家族の役割分担など、合格した親が実際にやったことが具体的に分かります。

⑨ 合格後・入学後に必要になる力まで見通せる 勉強以外に必要な能力、入学後のリアルな日常や家族の戸惑いまで、合格がゴールではないことが分かります。

⑩ 受験ノウハウの寄せ集めではなく、1つの家族の伴走ストーリーとして読める 赤点だった子が4000時間の積み重ねで合格した話など、単なる情報以上の「励み」になる記事が含まれています。

 

「うちの子は大丈夫」と思っている今だからこそ、読んでおいてほしい内容です。

 

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