前回までのあらすじ!
ビアンカの母親(名前不明)に半ば強引に頼まれ事をされたたろ! それは、サンタローズの洞窟へいったまま、いつまでたっても帰ってこない薬師の親父を探しにいってこいというものだった!
さっきスライム相手にあやうく窒息死しそうだったなんて、一言も告げることができず、たろが向かった先は……
たろ「やれやれだぜ、なんでこの俺が見ず知らずの親子の頼まれ事なんかを引き受けなければならないんだ。でもまぁ、ビアンカにいい格好を見せておくっていうのも悪くねぇ。仕方ねぇから、引き受けてやるぜ。ちっ、甘いな、この俺も」
……と、6歳なのに妙に中二病を拗らせているたろ少年は……
たろ「あったあった、かわのぼうしだぜ。こんなダサい帽子かぶるのは本来ならごめんだが、守備力には変えられないぜ。ふっ、俺はなかなか、用心深い性格なんだぜっ……!」
さらに……
たろ「あったあった、やくそうだぜ。飲んでもよし、塗ってもよしのスグレモノだ。こんなものを塗るだけで一瞬で怪我がなおっちまうなんて、いったいぜんたい、どんな成分でできているんだろうな? まぁ、俺としてはドラ○ンボールの某豆粒があればもっと良かったんだがな」
さらにさらに……
たろ「うっ、こ、こいつは、6歳の子供にはちときついドーピングアイテムだぜ。飲んだだけで、力が上がるという代物だが……本来筋肉というのは、過酷なトレーニングを課して一度筋肉を壊して、超回復という休憩期間を挟むことで成長していくものなんだが、こいつはその過程をすっ飛ばして力を上げるというものなんだ。だから……」
たろの ちからが
3あがった!
どうじに たえがたい きんにくつうに みまわれた!
たろ「ろ、ろくさいじに、この筋肉痛は、こたえるぜ……ふぅ、やれやれだぜ。まったく、こんな思いをしてまで、危険なサンタローズの洞窟へ赴こうっていうんだ。このことを知ったら、ビアンカのやつは俺に惚れちまうぜ。困ったなぁ……」
……と、ともあれ、こうして準備は整った!
たろは颯爽とサンタローズの洞窟へと、足を踏み入れるノだった!
デロデロデロデロ、デロデロデロデロ~♪(洞窟のテーマ)
不気味な音楽が流れるなか、おっかなびっくり進んでいく、たろ……その顔には、先ほどまでのラノベ主人公的な不敵な笑みはすでに消え去っていた……!
たろ「うぅ、慣れない中二病を発動させて自分を強がってみせたけど、や、やっぱり、一人で洞窟にはいるのは怖いよぉ。お願いです、神さまルビス様マスタードラゴン様堀井雄二様、モンスターが出てきてもせいぜいスライム1匹でありますように」
でろでろでろ~♪(敵が現れた効果音)
たろ「ぎゃああっ! いきなりスライムより強そうなやつがでたぁー!」
せみもぐらA「お? おいおい、なんかうまそうなちびっこが一人で洞窟の中にはいってきてやんぜ?」
せみもぐらB「ぐへへへへ、こいつを食っちまって、成虫への養分にしちまおうやっ!」
やばい、このせみもぐら達はかなりヒャッハーな性格のようだ!
しかも、レベル1のたろでは、にげるを選択しても回り込まれてしまうだろう!
たろ「う、うぅ、こうなったらやるしかない。おとなしいいじめっ子が突然切れたら凶暴になるという、例のアレを発動させるんだ!」
せみもぐらA「お? こいつ、いっちょまえにたたかうを選択してやがるぜ!?」
せみもぐらB「けっけっけ、6歳児の攻撃がどれほどのものよ。ほれ、当ててみ~?」
たろ「このお、いくぞぉぉ!!」
ピロッ、バシバシ、ドンッ!!
せみもぐらAを たおした!!
せみもぐらAを たおした!!
たろ「……へ? あれ? たおしちゃった?」
せみもぐらB「な、なにっ! ば、ばかな、い、一撃、一撃だとっ……! 信じられん……」
たろ「こ、これは、イケるぞ!」
せみもぐらB「ちょ、ちょうしにのってんじゃねぇぞ、このがきゃっ!!」
せみもぐらB「ば、ばかな、直撃のはずだ!」
たろ「くらえぇっ! ひのきのぼう、脳天ぶっ刺し攻撃ぃっ!!」
ピロピロッ、ドバッ! グチョ!!(何がが出る音)
せみもぐらB「ぐはっ! が、ガキだと侮っていた俺が、甘かった……み、みとめたくないものだな、じぶんじしんの、わかさゆえの、あやまち、というものを……ぐふっ!」
たろはせみもぐらたちをやっつけた!
そう、かれはようやく気づいたのだ!
せみもぐらとは、セミのようなもぐら……! または、もぐらのようなセミ……!
どっちに転んでも、そもそも小動物なので、人間様の敵のはずがないのだっ!
たろ「おっ、ぼくって意外と強いんじゃん? そりゃそうか、パパスっていうチート親父の血を引いているんだもんねっ! こんな洞窟のモンスターなんて、楽勝楽勝! にゃはははは!!」
すっかり、調子に乗ってしまったたろ!
このままでいいのか? いつか手痛いしっぺ返しを食らうフラグのような気がして仕方ないぞ!
次回へ続くっ!!