今日は新宿の紀伊國屋ホールで、

「恭しき娼婦」という舞台を見に行ってきました。



主演は奈緒と風間俊介。2人ともドラマとか映画でみたことはあるけど、特にファンというわけではないです。

原作は、かのジャン=ポール・サルトル。高校の倫理で代表的な実存主義者として出てきましたよね。自分も主体性とか、自由とかについて考えた人だ〜くらいにしか理解していません。

舞台になっているのはおそらく1900年代前半のアメリカです。(背景をよく調べてたらもっと見やすかったかもと反省してます。)ある事件に巻き込まれた白人の女性(奈緒)が、「黒人」に対する人種差別についての個人的な信念と、アメリカの体制との間で葛藤し、揺れ動きます。(あらすじ、詳しくは上のリンク参照)罪とは何か、真実とは何かを問いかける、哲学的なストーリーでした。

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紀伊國屋ホールは紀伊國屋書店の新宿本店4階にあります。少し早めに着いてしまったので、人文系の書棚が並ぶ3階を散歩したのですが、広すぎてとうとう文化人類学の書棚が見つからないまま会場に向かう時間が来てしまいました。


ロビーに入ると結構な人だかり。天井が低くこぢんまりしたスペースに、身だしなみの整った、いかにも文化的水準の高そうな人たちが、ソファに座ったり、水を飲んだり、別の公演のチラシを眺めたり、トイレの長蛇の列に並んだりしていました。

結構着古した上着を着て行ってしまったのはちょっと失敗だったかも。しかも演劇の舞台を見るのは人生で初めてだったので、すごく緊張しました。


混雑しますのでお早めにお入りください〜というスタッフの声を背中に、ホールに入ります。映画館くらいの広さで、壁にはなにやら機械的な彫刻が飾られています。薄暗くて、すこし古ぼけた感じのホール。チケットに書かれた座席(ちょっと後ろの方でした)を見つけて、席につきました。


いつ始まるんだろう…

この舞台の裏に役者さんいるんだろうな…


いよいよ、入り口の小さな黒いカーテンがシャーと閉められ、しばらく待っていると、照明が気づくか気づかないかくらいのペースで徐々に暗くなっていきます。ほぼ暗闇。足元を照らすライトがホールの天井を鈍く照らしています。


重たい音楽と共に、窓から差し込む薄暗い灯りと、それが照らす質素な部屋が見えてきました。ベッドでボサボサ髪の女性が起き上がります…


そこからはあっという間でした。

交わされる言葉、叫び声、罵声、銃声。

窓から差し込む朝の日差し、そして月の光。

舞台上の位置によって俳優たちの表情の照らされ方も全く変わる。

たった1部屋、たった1つのセットだけで、6人の登場人物が立ち替わり入れ替わり、めまぐるしくストーリーが進行していきました。


終演もそれとはあまり気づかないままに迎えてしまいました。

拍手がなると、6人の役者たちがニコりともせず舞台上に現れ、おじぎをして裏に下がっていきます。これを3回繰り返しました。


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…思いつきで、勢いのまま書いてしまったけれど、(そして間をだいぶ端折ったけれど)僕の初めて見た舞台はこんな感じでした。すごくよかった。


ロビーでいくつかチラシもゲットしたので、

また他の舞台も見に行こうと思います。


ちなみに、恭しき娼婦は19日(日)までやっていて、当日券もあるようです〜!